西川口キリスト教会 斎藤 信一郎
今月の主題…「キリストの犠牲の精神」
◆コリントの信徒への手紙二の特徴
特に使徒のあり方および献金のあり方について、パウロは集中的に語っています。今回の箇所は、前者が主題です。
<原則として、ご自分で聖書本文を読み、黙想してから以下の文章、聖書教育誌、その他の参考文献を読むことをお奨めします。また、黙想の際に違う聖書訳を比較して読むこともお奨めします。>
※『聖書教育』誌は日本バプテスト連盟発行の教会学校教案誌です。詳細は下記のURLでご照会下さい。 http://www.bapren.com/index.html (『聖書教育』ホームページ)
◆黙想のポイント
どのような香りを私たちは漂わせているか。また、どうすれば聖書が語る香りを漂わせることができるのか黙想しましょう。
2:14 神に感謝します。神は、わたしたちをいつもキリストの勝利の行進に連ならせ、わたしたちを通じて至るところに、キリストを知るという知識の香りを漂わせてくださいます。2:15 救いの道をたどる者にとっても、滅びの道をたどる者にとっても、わたしたちはキリストによって神に献げられる良い香りです。2:16 滅びる者には死から死に至らせる香りであり、救われる者には命から命に至らせる香りです。このような務めにだれがふさわしいでしょうか。2:17 わたしたちは、多くの人々のように神の言葉を売り物にせず、誠実に、また神に属する者として、神の御前でキリストに結ばれて語っています。
>>>前半は香りをテーマに語っています。香りにも様々あります。人を引きつける香りもあれば、人を遠ざける香りもあります。パウロは「キリストを知るという知識の香り」という表現で、私たちを通して、人々がキリストに感心を向け、知りたくなるような香りを放つことの大切さを主張しています。これは努力によって取得するような資格ではなく、信仰と執り成しの祈りによって私たちの内側から放たれるキリストの香りだと言います。このような務めには誰もふさわしくないことを自覚し、謙虚に主の助けを求めて誠実に互いに祈り合い、宣教に励むように薦めています。また、香りには傷の手当てなどに用いる消毒の匂いのような香りも存在します。「私には魂の傷を消毒する手当が必要だ」と自覚できるような、キリストが与えて下さる「悔い改めの香り」も考えられます。キリストの香りを漂わせるというのは、誰に、どのような目的で宣教するかによって、様々な香りが存在するのではないでしょうか。自分が持っている香りにではなく、相手に合わせて、キリストに分けていただくキリストの香りを放つことの大切さを教えられます。
◆新しい契約の奉仕者
3:1 わたしたちは、またもや自分を推薦し始めているのでしょうか。それとも、ある人々のように、あなたがたへの推薦状、あるいはあなたがたからの推薦状が、わたしたちに必要なのでしょうか。3:2 わたしたちの推薦状は、あなたがた自身です。それは、わたしたちの心に書かれており、すべての人々から知られ、読まれています。3:3 あなたがたは、キリストがわたしたちを用いてお書きになった手紙として公にされています。墨ではなく生ける神の霊によって、石の板ではなく人の心の板に、書きつけられた手紙です。3:4 わたしたちは、キリストによってこのような確信を神の前で抱いています。3:5 もちろん、独りで何かできるなどと思う資格が、自分にあるということではありません。わたしたちの資格は神から与えられたものです。3:6 神はわたしたちに、新しい契約に仕える資格、文字ではなく霊に仕える資格を与えてくださいました。文字は殺しますが、霊は生かします。
>>>後半は、信徒の祈りと聖霊による派遣によって、福音宣教に忠実に歩むことの恵みについて語ります。当時、多くの伝道者が、エルサレム教会からの推薦状を名刺代わりに、また資格証明書のように用いていたことが背景として考えられます。現代でも推薦状・名刺・資格は商売をする時、また人に信用してもらう時などに有効です。しかし、もっと大切なものがあるとパウロは言います。それはキリスト者の原動力となる、信徒たちからの執り成しの祈りによって働く聖霊の導きと助けです。資格があるかないかで誰かを判断したり、信用したりするのではなく、また資格があるかどうかで自分は宣教できる、できないと考えるので誰もが等しく、互いの祈りに支えられて福音宣教の業に励むように、キリストは招いておられるのです。資格のあるなしではなく、クリスチャンはキリストの十字架のあがないと復活によって、誰もが聖霊に仕える資格を神から与えられていることが大切なのです。
◆話し合いのポイント
・聖書教育誌の「話し合いのポイント」および少年少女科の「活動」を参考にして下さい。