2016年7月 祈祷会・教会学校 聖書箇所 サムエル記下11章1-17,26-27節 「主の目に悪」
総合テーマ 主なる神を畏れ敬う
黙想のポイント
・ダビデが自分の罪を隠すためにどれほど愚かなことを重ねてしまうのか黙想しましょう。いつの間にか、罪に対してダビデのように鈍感になってしまうことはないでしょうか。まるで神には分からず、あるいはそれほどお咎めを受けないで済むかのように罪の意識さえ、曖昧になることはないでしょうか。
予備知識…7~10章までの概略
前回)契約の箱を全力で無事エルサレムに運び終えるダビデ
7-10章)周辺諸国と戦いに明け暮れるダビデ。ただし、常に勝利を重ねていく。
9章)サウルの子、ヨナタンとの約束に従ってその子メフィボシェトをダビデは王子の一人のように待遇
◆ウリヤの妻バト・シェバ
11:1 年が改まり、王たちが出陣する時期になった。ダビデは、ヨアブとその指揮下においた自分の家臣、そしてイスラエルの全軍を送り出した。彼らはアンモン人を滅ぼし、ラバを包囲した。しかしダビデ自身はエルサレムにとどまっていた。
11:2 ある日の夕暮れに、ダビデは午睡から起きて、王宮の屋上を散歩していた。彼は屋上から、一人の女が水を浴びているのを目に留めた。女は大層美しかった。
11:3 ダビデは人をやって女のことを尋ねさせた。それはエリアムの娘バト・シェバで、ヘト人ウリヤの妻だということであった。
11:4 ダビデは使いの者をやって彼女を召し入れ、彼女が彼のもとに来ると、床を共にした。彼女は汚れから身を清めたところであった。女は家に帰ったが、
11:5 子を宿したので、ダビデに使いを送り、「子を宿しました」と知らせた。
11:6 ダビデはヨアブに、ヘト人ウリヤを送り返すように命令を出し、ヨアブはウリヤをダビデのもとに送った。
11:7 ウリヤが来ると、ダビデはヨアブの安否、兵士の安否を問い、また戦況について尋ねた。
>>>本来部下のウリヤに、告げるべきことを告げず、謝罪すべきことを謝罪しないで罪を隠すダビデ王でした。
11:8 それからダビデはウリヤに言った。「家に帰って足を洗うがよい。」ウリヤが王宮を退出すると、王の贈り物が後に続いた。
11:9 しかしウリヤは王宮の入り口で主君の家臣と共に眠り、家に帰らなかった。
11:10 ウリヤが自分の家に帰らなかったと知らされたダビデは、ウリヤに尋ねた。「遠征から帰って来たのではないか。なぜ家に帰らないのか。」
11:11 ウリヤはダビデに答えた。「神の箱も、イスラエルもユダも仮小屋に宿り、わたしの主人ヨアブも主君の家臣たちも野営していますのに、わたしだけが家に帰って飲み食いしたり、妻と床を共にしたりできるでしょうか。あなたは確かに生きておられます。わたしには、そのようなことはできません。」
11:12 ダビデはウリヤに言った。「今日もここにとどまるがよい。明日、お前を送り出すとしよう。」ウリヤはその日と次の日、エルサレムにとどまった。
11:13 ダビデはウリヤを招き、食事を共にして酔わせたが、夕暮れになるとウリヤは退出し、主君の家臣たちと共に眠り、家には帰らなかった。
>>>贈り物まで送り、酒に酔わせてまでして家に帰らせてバト・シェバと一夜を過ごさせようと画策するダビデの醜い悪あがきをするダビデ王の姿があります。
11:14 翌朝、ダビデはヨアブにあてて書状をしたため、ウリヤに託した。
11:15 書状には、「ウリヤを激しい戦いの最前線に出し、彼を残して退却し、戦死させよ」と書かれていた。
11:16 町の様子を見張っていたヨアブは、強力な戦士がいると判断した辺りにウリヤを配置した。
11:17 町の者たちは出撃してヨアブの軍と戦い、ダビデの家臣と兵士から戦死者が出た。ヘト人ウリヤも死んだ。
>>>とうとうダビデは軍の司令官であったヨアブに書状を送り、戦でウリヤを戦士させる命令を出してしまいます。しかも、無理な城攻めをさせたために他にも大勢の戦死者を出させてしまいました。ダビデの罪は、実際にはウリヤを殺したことに留まりません。多くの兵士の命を軽んじ死なせた罪も問われるべきだと思います。
18節~25節…戦場でウリヤがダビデの望んでいた通りに戦士し、報告が伝えられます。普段ならば戦の失敗の責任を問われるダビデでしたが、ウリヤの戦死を聞くと敗戦の責任は不問にしました。
11:26 ウリヤの妻は夫ウリヤが死んだと聞くと、夫のために嘆いた。
>>>ダビデはバト・シェバのことなど何も考慮に入れていませんでした。ダビデは部下のウリヤにもバト・シェバにも、そして神に対しても到底許されない罪を犯してしまったのです。
11:27 喪が明けると、ダビデは人をやって彼女を王宮に引き取り、妻にした。彼女は男の子を産んだ。ダビデのしたことは主の御心に適わなかった。
>>>最後にはバト・シェバを殺したり、現代のように子どもを中絶させたりせずに自分の妻にしたのは良かったですが、取り返しのつかない罪を犯したダビデでした。主なる神はその罪を見逃すはずはありませんでした。
分かち合いのポイント
・神の箱を無事エルサレムに運んだダビデ、また連戦連勝を神に導いてもらったダビデでした。しかし、主なる神への畏れが薄れ、とんでもない罪を犯してしまうダビデ王の姿がここにあります。私たちの日常にも目を向け、神の赦しと憐みを体験した証しなどを分かち合いましょう。