使徒言行録13章1-3,44-52節「異邦人の方に行く」
テーマ 主イエスの視点でものごとを見る…
黙想のポイント
1 バルナバとサウロが宣教師として派遣するように聖霊に導かれたのはアンティオキア教会が何をしていた時だと聖書は指示しているでしょうか?
2 ピシディア州のアンティオキアでパウロたちは伝道戦略を変更することになります。それはどのような理由からか黙想しましょう。
3 聖霊はこの間にどのように働いていることが語られているでしょうか?
◆地図参照…新共同訳聖書巻末の聖書地図 7パウロの宣教旅行
◆バルナバとサウロ、宣教旅行に出発する
13:1 アンティオキアでは、そこの教会にバルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、キレネ人のルキオ、領主ヘロデと一緒に育ったマナエン、サウロなど、預言する者や教師たちがいた。
>>>ここでキレネ人のルキオという人物が登場します。先に11章でキレネ人のクリスチャンがアンティオキアで初めてギリシャ語を使う人々に伝道したことが語られていましたが、この人物だったのかも知れません。
13:2 彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が告げた。「さあ、バルナバとサウロをわたしのために選び出しなさい。わたしが前もって二人に決めておいた仕事に当たらせるために。」
13:3 そこで、彼らは断食して祈り、二人の上に手を置いて出発させた。
>>>アンティオキア教会に世界宣教の使命が与えられたのは彼らが礼拝と断食と祈りを大切にしていたことが示されています。教会の模範としてここから学びたいと思わされます。
◆キプロス宣教
13:4 聖霊によって送り出されたバルナバとサウロは、セレウキアに下り、そこからキプロス島に向け船出し、
13:5 サラミスに着くと、ユダヤ人の諸会堂で神の言葉を告げ知らせた。二人は、ヨハネを助手として連れていた。
13:6 島全体を巡ってパフォスまで行くと、ユダヤ人の魔術師で、バルイエスという一人の偽預言者に出会った。
*9節でサウロがパウロに名前が切り替えられる!
◆ピシディア州のアンティオキアで
13:13 パウロとその一行は、パフォスから船出してパンフィリア州のペルゲに来たが、ヨハネは一行と別れてエルサレムに帰ってしまった。
>>>ここでヨハネが中途リタイアしたことが後にパウロとバルナバが分かれて宣教活動をする原因となります。
13:14 パウロとバルナバはペルゲから進んで、ピシディア州のアンティオキアに到着した。そして、安息日に会堂に入って席に着いた。
13:15 律法と預言者の書が朗読された後、会堂長たちが人をよこして、「兄弟たち、何か会衆のために励ましのお言葉があれば、話してください」と言わせた。
13:16 そこで、パウロは立ち上がり、手で人々を制して言った。「イスラエルの人たち、ならびに神を畏れる方々、聞いてください。
>>>この時のパウロたちの伝道は順調に行ったようです。
13:42 パウロとバルナバが会堂を出るとき、人々は次の安息日にも同じことを話してくれるようにと頼んだ。
13:43 集会が終わってからも、多くのユダヤ人と神をあがめる改宗者とがついて来たので、二人は彼らと語り合い、神の恵みの下に生き続けるように勧めた。
>>>新しく信仰に入った者たちにパウロたちが常に熱心に励ましているのを見ます。
13:44 次の安息日になると、ほとんど町中の人が主の言葉を聞こうとして集まって来た。
>>>これにはさすがにユダヤ人たちは次節に書いてある通り、妬みを起こしたようです。
13:45 しかし、ユダヤ人はこの群衆を見てひどくねたみ、口汚くののしって、パウロの話すことに反対した。
13:46 そこで、パウロとバルナバは勇敢に語った。「神の言葉は、まずあなたがたに語られるはずでした。だがあなたがたはそれを拒み、自分自身を永遠の命を得るに値しない者にしている。見なさい、わたしたちは異邦人の方に行く。
13:47 主はわたしたちにこう命じておられるからです。『わたしは、あなたを異邦人の光と定めた、/あなたが、地の果てにまでも/救いをもたらすために。』」
>>>ここで注目したいことは、パウロたちが同朋のユダヤ人たちによる宣教妨害に遭いながらも、聖霊の導きの中で異邦人への宣教使命が聖書に予め示されていたことに目が開かれています。サウロたちが何故急に宣教方針を変えたのかのひとつの理由が明らかにされている箇所ではないでしょうか。
13:48 異邦人たちはこれを聞いて喜び、主の言葉を賛美した。そして、永遠の命を得るように定められている人は皆、信仰に入った。
13:49 こうして、主の言葉はその地方全体に広まった。
>>>この文章からは明確にはなっていませんが、聖霊が豊かに働いていることが伺えます。しかし、聖霊が働くところでは、同時に霊の戦いも激しさを増すようです。いよいよ迫害は激しさを増していくことが語られています。
13:50 ところが、ユダヤ人は、神をあがめる貴婦人たちや町のおもだった人々を扇動して、パウロとバルナバを迫害させ、その地方から二人を追い出した。
13:51 それで、二人は彼らに対して足の塵を払い落とし、イコニオンに行った。
13:52 他方、弟子たちは喜びと聖霊に満たされていた。
>>>バルナバとサウロを世界宣教に派遣するように導かれた聖霊は、この最後の場面でもユダヤ人の迫害下にあった弟子たちを励まし、喜びと聖霊に満たしていたことが語られています。すべての背後で力強く働かれる聖霊の御業に励まされます。