西川口キリスト教会 斎藤 信一郎 牧師
今月の主題…「みこころを尋ねて行動する信仰」
◆前回から今回の箇所までの流れ
19章30節から…神の憐れみと導きにより、親族が住むソドムの町の住人のために執り成し祈るアブラハム。結果的にソドムの滅亡から免れたロトと二人の娘たち。その二人の娘の子どもたちがモアブ人とアンモン人になっていくことが語られます。両民族は、後にイスラエル民族がエジプトを脱出してカナンの地に戻る際に、預言者を用いてイスラエルを呪わせようとします(民数記22章)。そのために両民族は10世代に至るまで、共に礼拝することを禁じられることになっていきます(申命記23章)。続く20章はアブラハムが過去の過ちを再び繰り返す話です。彼らがネゲブ地方のゲラルに移動した際、ゲラルの王アビメレクに妻を自分の妹であると偽ります。そのせいで、アビメレクの宮廷のすべての女性が不妊になるという災いが起きます。神の憐れみによって真相を知った王は、アブラハムに妻を帰し、アブラハムに執り成し祈ってもらうことによって災いから救われます。
<原則として、ご自分で聖書本文を読み、黙想してから以下の文章、聖書教育誌、その他の参考文献を読むことをお奨めします。また、黙想の際に聖書地図で確認し、違う聖書訳を比較して読むこともお奨めします。>
※『聖書教育』誌は日本バプテスト連盟発行の教会学校教案誌です。詳細は下記のURLでご照会下さい。 http://www.bapren.com/index.html (『聖書教育』ホームページ)
◆黙想のポイント
今回は16章~18章も振り返りながら、「笑い」をキーワードにサラに焦点を当てて読みましょう。16章では、女奴隷ハガルを通してイシマエルが生まれた時に、サラから笑いが失われた話。17章では、神が割礼による契約を結び、サライの名前をサラに変えさせ、サラを祝福して「諸国民の母とし、諸民族の王となる者たちが彼女から出る」(16節)と約束された時にアブラハムが笑った話。18章12節は、神の御使いがサラに一年後に男の子が生まれると預言した際に、彼女が笑った話。そして、今回の箇所(6節)と様々な「笑い」について考えさせる話が登場します。それぞれの笑いの違いを考えると共に、主なる神が与える「笑い(イサク)」とはどのようなものか黙想しましょう。
◆イサクの誕生
21:1 主は、約束されたとおりサラを顧み、さきに語られたとおりサラのために行われたので、
>>>この箇所の主人公はサラだということが分かる節です。また、主なる神は「サラを顧み」ていることが語られています。そして、主なる神は「サラのために」子どもを与えられたと語られています。族長物語はアブラハムだけが主人公なのではなく、妻のサラも一心同体として聖書は扱っているのです。
21:2 彼女は身ごもり、年老いたアブラハムとの間に男の子を産んだ。それは、神が約束されていた時期であった。
>>>全ては「神が約束されていた時期」に実現していきます。アブラハム・サラ夫妻が願う時期ではありませんでした。神のご契約に従う者たちには忍耐が必要だということが示唆されています。
21:3 アブラハムは、サラが産んだ自分の子をイサクと名付け、21:4 神が命じられたとおり、八日目に、息子イサクに割礼を施した。
>>>ここには神の指示を忘れず、従順に実行していくアブラハムの姿が描かれています。神の指示はその後、主イエスが生まれる時代まで、イスラエルの重要な掟として重んじられていくことになります。ルカによる福音書2章21節「八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。」
21:5 息子イサクが生まれたとき、アブラハムは百歳であった。21:6 サラは言った。「神はわたしに笑いをお与えになった。聞く者は皆、わたしと笑い(イサク)を/共にしてくれるでしょう。」
>>>サラには笑えない時もありました。また、「到底信じられない」という思いで、御使いの言葉をあざ笑うこともありました。しかし、神はそんなサラに心からの笑いを与えられます。しかもそれは、他の人にも分け与えることができるような笑いなのだと示されます。17章19節で、主なる神が、生まれた子どもに「笑い」という意味のイサクという名前を付けるように指示しておられたことから、真実の笑いを二人に与えるご計画が、始めからあったことがわかります。
21:7 サラはまた言った。「誰がアブラハムに言いえたでしょう/サラは子に乳を含ませるだろうと。しかしわたしは子を産みました/年老いた夫のために。」
>>>サラに子どもが与えられた出来事は、どれだけ彼女の心にゆとりを生み出しているかが伺えます。そのゆとりによってサラは、夫の喜びにも目を向け、自分自身のことのように喜び、主なる神に賛美を献げることができるようになったのです。
21:8 やがて、子供は育って乳離れした。アブラハムはイサクの乳離れの日に盛大な祝宴を開いた。
>>>アブラハムとサラが、子どもを授かったお祝いを繰り返し行ったことが語られています。神が用意されている、最終的な天の御国の祝福を垣間見るような箇所ではないでしょうか。
◆話し合いのポイント
- 書教育誌に優れた視点が多くあります。是非、ご参照下さい。様々な気づきが与えられ、考えさせられます。
- 聖書教育誌の「話し合いのポイント」および少年少女科の「活動」などを参考にして下さい。
- 青年成人科の「話し合いのポイント」や少年少女科の「おはなし」少年少女科のコラムも考えさせられます。