西川口キリスト教会 斎藤 信一郎 牧師
今月の主題…「土の器を用いて御業を行われる神」
◆今回の箇所の背景
8章と9章は対外支援献金の準備についてのパウロの言葉です。8章では、コリントの教会が属するアカイア州の北にある、マケドニア州の諸教会を引き合いに出しながら、経済的に困難な中にあっても惜しまずに献金することの祝福と大切さを語っています。マケドニア州にある教会とは、フィリピ、テサロニケ、ベレアなどを指します。また8章6節によれば、テトスが以前にコリントでの募金活動に関わっており、16節からは、今度は最低二人の同伴者と共に再びコリントに募金活動のために行こうとしていることが伺えます。このような前提で9章は展開していきます。
<原則として、ご自分で聖書本文を読み、黙想してから以下の文章、聖書教育誌、その他の参考文献を読むことをお奨めします。また、黙想の際に違う聖書訳を比較して読むこともお奨めします。>
※『聖書教育』誌は日本バプテスト連盟発行の教会学校教案誌です。詳細は下記のURLでご照会下さい。 http://www.bapren.com/index.html (『聖書教育』ホームページ)
◆黙想のポイント
施し、慈善の業、募金、愛の業、贈り物、奉仕の業など、様々な言葉で対外支援献金を表現しています。パウロが語る対外支援献金の精神を参考にしながら、協力伝道献金の現状や可能性について黙想しましょう。
◆エルサレムの信徒のための献金
9:1 聖なる者たちへの奉仕について、これ以上書く必要はありません。 9:2 わたしはあなたがたの熱意を知っているので、アカイア州では去年から準備ができていると言って、マケドニア州の人々にあなたがたのことを誇りました。あなたがたの熱意は多くの人々を奮い立たせたのです。
>>>パウロは、他の地方よりも対外支援献金にいち早く取りかかったコリント教会のことを、他の地方で宣伝していたことが伺えます。
9:3 わたしが兄弟たちを派遣するのは、あなたがたのことでわたしたちが抱いている誇りが、この点で無意味なものにならないためです。また、わたしが言ったとおり用意していてもらいたいためです。9:4 そうでないと、マケドニア州の人々がわたしと共に行って、まだ用意のできていないのを見たら、あなたがたはもちろん、わたしたちも、このように確信しているだけに、恥をかくことになりかねないからです。 9:5 そこで、この兄弟たちに頼んで一足先にそちらに行って、以前あなたがたが約束した贈り物の用意をしてもらうことが必要だと思いました。渋りながらではなく、惜しまず差し出したものとして用意してもらうためです。9:6 つまり、こういうことです。惜しんでわずかしか種を蒔かない者は、刈り入れもわずかで、惜しまず豊かに蒔く人は、刈り入れも豊かなのです。9:7 各自、不承不承ではなく、強制されてでもなく、こうしようと心に決めたとおりにしなさい。喜んで与える人を神は愛してくださるからです。
>>>後に始めたマケドニア州の教会よりも、何らかの理由で実際の送金が遅れてしまっていたコリント教会でした。それを心配し、念入りに励まそうとしています。少し子ども扱いしているようにさえ受け取れる、パウロの執拗な言葉が続きます。
9:8 神は、あなたがたがいつもすべての点ですべてのものに十分で、あらゆる善い業に満ちあふれるように、あらゆる恵みをあなたがたに満ちあふれさせることがおできになります。9:9 「彼は惜しみなく分け与え、貧しい人に施した。彼の慈しみは永遠に続く」と書いてあるとおりです。9:10 種を蒔く人に種を与え、パンを糧としてお与えになる方は、あなたがたに種を与えて、それを増やし、あなたがたの慈しみが結ぶ実を成長させてくださいます。9:11 あなたがたはすべてのことに富む者とされて惜しまず施すようになり、その施しは、わたしたちを通じて神に対する感謝の念を引き出します。9:12 なぜなら、この奉仕の働きは、聖なる者たちの不足しているものを補うばかりでなく、神に対する多くの感謝を通してますます盛んになるからです。
>>>献金は財産が減ることではなく、むしろ神からの祝福が豊かに分かち合われるために、非常に重要な要素なのだと主張します。礼拝における神の恵みへの応答と感謝としての献金の精神に通じます。
9:13 この奉仕の業が実際に行われた結果として、彼らは、あなたがたがキリストの福音を従順に公言していること、また、自分たちや他のすべての人々に惜しまず施しを分けてくれることで、神をほめたたえます。9:14 更に、彼らはあなたがたに与えられた神のこの上なくすばらしい恵みを見て、あなたがたを慕い、あなたがたのために祈るのです。9:15 言葉では言い尽くせない贈り物について神に感謝します。
>>>互いに協力伝道献金をすることによって結ばれ、さらに祈り合う祝福へと発展していく幸いについて書いています。教会の財政状況は決して順調ではないかも知れません。会堂の新築や修復、その他の出費のための資金確保が難しい現状があるかも知れません。しかし、振り返ればどの教会も、母教会および連盟内外の諸教会からの、継続的な支援と祈りに支えられて今日まで歩んで来たのではないでしょうか。常に支えられてきた私たちです。協力伝道はどんな財政状況の中にあっても、常に過去への感謝を込め、未来に希望を抱きながら、神の御業に信頼しつつ、互いに惜しまずに人材も資金も分かち合っていくものであることが示されます。
◆話し合いのポイント
・聖書教育誌の「話し合いのポイント」および少年少女科の「活動」を参考にして下さい。
・この機会に、協力伝道献金の恵みやさらなる可能性について共に考え、分かち合いましょう