婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。
ヨハネによる福音書2章4節
カナで結婚式があり、主イエスと弟子たちが出席した。母マリアは台所で仕事をしていた。ところが、結婚式に欠かせないぶどう酒が底をついてしまい、困り果てた母マリアは主イエスに訴えた。今日の聖句は、マリアに対する主イエスの答えである。突き放したような言葉である。しかし、マリアは主イエスの言葉を聞いて、主を通して働かれる神は人の願い通りに働く方ではなく、ご自分の意志で自由に働かれる方であると信じた。そこで、彼女は主イエスのご意志を待つことにして、召し使いたちに「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」(5節)と言った。
主イエスが「水がめに水をいっぱい入れなさい」(7節)と言ったので、召し使いたちは主に命じられた通り、井戸まで何度も往復して水を汲み、六個のかめに水を満たした。すると汲んだ水がぶどう酒に変わった。主イエスの言葉を聞いて、従った時、思いがけず良い結果が与えられ、困窮から救われた。しかも、初めのぶどう酒よりも良かった。
私たちも困窮の時に神に助けを求めて祈るが、すぐに答えがあるとは限らない。しかし、神は祈りを聞き、私たちを正しい信仰に導かれる。すなわち、神を私たちの願いを叶えて当然の召し使いのように思う手前勝手な信仰から、神を信頼し、神から命じられたことをなし、神の業を待つ信仰に導かれる。この信仰によって、水がぶどう酒に変わる神の恵みの奇跡を経験する。奇跡は結果であって、信仰生活の目的は、困窮の時にも神の言葉に聞き、神を信頼し、み業を待ち望むことである。
著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
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この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。