10月27日
言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。
ヨハネによる福音書1章4節
福音書記者ヨハネは、神は「言」、すなわち、神は語りかける言葉を持つ人格的な方であると言う。万物はこの「言」によって成った。万物は偶然に生じたのではなく、神の意志によって創造された。その万物の中で、神は人間を神の言葉に応答する自由意志を持つ者として創造した。
ヨハネはクリスマスの出来事を、「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた」と言う。イエス・キリストは人間に語りかける神の「言」として、人となり、世に来られた。人間が神の言葉に聞こうとせず、その結果、争い、恐れ、不信、不安という暗闇が世を支配するようになったからである。遠くに迷い出てしまった子を見つけるためには、なりふり構わない親のように、神は人となり、暗闇に住む私たちの所に駈けて来られた。これが神の御子の降誕というクリスマスの出来事である。
主イエスはその生涯において、町や村を巡り歩き、病んでいる人を癒し、打ちひしがれている人々に神の福音を伝えた。暗闇の海で恐れと不安に襲われている弟子たちに主イエスは近づき、「恐れることはない。わたしがいる」と呼びかけた。昔と同じように、今も、主は私たちの所に駆けて来て、「恐れることはない。わたしがいる」と語ってくださる生ける神である。
今日の聖句は、主イエスこそ人間を真に生かす命の言葉であり、暗闇に住む人間を照らす光であるという教会の信仰告白である。主イエスは迷い出た私たちに近づいて、呼びかける神の言葉である。イエス・キリストのうちに、暗闇の中にいる私たちを救わずにはおかない神の愛の光が輝き出ている。このことを知って、私たちはクリスマスを喜び祝うのである。
著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。