9月28日
使徒言行録14章22節
パウロとバルナバたちは、デルベまで足を延ばし、ここから再び同じ道を取って返した。そして、彼らの伝道によって誕生したばかりの教会に立ち寄り、今日の聖句を語って、弟子たちの小さな群れを力づけた。キリストの福音を信じ、福音に拠って立つ弟子たちの生活には、信仰の戦いと苦しみが伴う。主イエスは言う。「小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる」(ルカ12:32)。主の苦難にあずかる者が、主の栄光にあずかる。パウロとバルナバは入信したばかりの信徒たちを力づけた。ここに、伝道者は同時に牧会者であることを知る。信徒たちの信仰が成長し、成熟するまで、牧会は必要である。「牧会」とは、個人的な世話をして関係を築くことではない。み言葉によって、信徒をキリストにしっかりと結ぶ働きである。「牧会とは、説教のつとめをさらに徹底させて、個々人にまでみ言葉を届かせることである」(ボンヘッファー)。パウロとバルナバは、「信仰に踏みとどまるよう」にと信徒たちを励まし、教会を去る前に、長老たちを任命して、牧会の務めを託した。教会に対する迫害が厳しい中で、信仰生活に入って間もない信徒を長老に立てることに、心配はなかっただろうか。いや、教会はパウロたちが集めた群れではなく、聖霊によって神が呼び集めた群れである。彼らはそのことを信じ、「断食して祈り、彼らをその信ずる主に任せた」(23節)。
「長老」という呼称は別にしても、今日、牧師と共に牧会の働きを担う信徒が多く立てられ、共同牧会がなされることによって、教会は体の各部分が一つに結ばれた主のからだとして形成される。
著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。