御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥しをやってみます。そうすれば、来年は実がなるかもしれません。
ルカによる福音書 13章8~9節
主イエスはいちじくの木を植えた主人といちじくの木を世話する園丁の譬えを語った。私たちは事柄を分かりやすく説明するために譬えを用いるが、主イエスの譬えはそうではない。霊の世界である「神の国」は譬えでしか話すことができない。
園丁が語った今日の聖句のように、主イエスの生涯は人々が悔い改めの実を結ぶことを願って働き、神に執り成す生涯であった。その頂点が十字架の死である。罪のために神の裁きを免れない人々のために、主は十字架にかかり、「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです」(ルカ23:34)と執り成して、死んだ。「わたしたちがまだ罪人であったとき、キリストがわたしたちのために死んでくださったことにより、神はわたしたちに対する愛を示されました」(ローマ5:8)。今は、神の愛を知って、神に立ち帰る時である。
しかし、終わりの日が来る。終わりの日が裁きとなるのは、神が私たちを締め出すからではなく、御子によって罪の赦しの道を備えてくださった神を私たちが最後まで締め出したからである。復活し、昇天された主イエスは、今も主なる神に「今年もこのままにしておいてください」と執り成しておられる。聖霊の主は、終わりの日が来るまで、私たちが悔い改めの実を結ぶように働いておられる。「霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、……わたしたちは、霊の導きに従って生きているなら、霊の導きに従ってまた前進しましょう」(ガラテヤ5:22~25)。
著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。