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朗読 『一日の発見 365日の黙想』5月9日

5月9日

イエスが、「汚れた霊、この人から出て行け」と言われたからである。

マルコによる福音書 5章8節


 汚れた霊につかれた人が主イエスに近づいた。彼は墓を住まいとし、凶暴で、石で自分を打ち叩いていた。彼は人を傷つけるだけでなく、自分を傷つけていた。彼は自分で自分を制御できなかったのである。これは聖書が語る人間の姿である。この人は私たちと違わないのである。私たちは隣人を愛し、理解し合うことを願いながら、隣人を理解できず、憎み、争う。平和を願いながら、正義と愛国心をかたって戦争をする。まさに混乱しており、自己制御できない。主イエスは人間の自己矛盾の背後に悪霊が働いているのを見ている。「私たちは皆、悪霊にとりつかれて、狂い回りながら、山から海へ飛び込んで溺れ死んでしまう。これが私たちの運命です」(ドストエフスキー)。
 今日の聖句のように、主イエスは「言葉」をもって悪霊につかれた人を解放した。この人は「正気になった」。主は彼を悪霊の手から神の手に取り戻したのである。神は人をご自分と向き合う者として創造した。しかし、人は悪魔に誘惑されて神との関係を捨て、その結果、他者のみならず自分をも傷つける人間になってしまった。このような人間を元のかたちに回復するため、「正気にする」ために、主イエスは来られたのである。
 主イエスは「言葉で」悪霊につかれた人を癒した。主の言葉を聴き、主の言葉に自分をかけて生き始めるとき、私たちは癒され、正気になる。主の言葉によって、神に愛されている自分を発見し、神の御心みこころを知ってこれに応える新しい人間にされて行く。環境のせいにしたり、人の声に振り回されるような人間でなく、神と向き合ってゆく主体的な人間にされてゆく。


著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/

朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。

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