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朗読 『一日の発見 365日の黙想』5月4日

5月4日

花婿が一緒にいるのに、婚礼の客は断食できるだろうか。花婿が一緒にいる限り、断食はできない。

マルコによる福音書2章19節


 この時代、断食は宗教儀礼であった。敬虔なユダヤ人は、週二回、断食をした。ところが、主イエスの弟子たちは断食をしなかったので、人々は「ヨハネの弟子たちとファリサイ派の弟子たちは断食しているのに、なぜ、あなたの弟子たちは断食しないか」と尋ねた。冒頭の言葉はこれに対する主イエスの答えである。
 ユダヤでは、婚宴は一週間続き、その間、親族や近隣の人々が招かれて花婿と一緒に楽しく過ごすのである。婚宴は大きな喜びの時であり、その間は週二回の断食からも解放されたという。主イエスは「神の国」を婚宴にたとえる。神の国は婚宴であり、花婿イエスが一緒にいるのである。だから、宗教儀礼には捉われないで、大いに喜ぶのである。
 神の国の福音は「新しいぶどう酒」であり、宗教儀礼や習俗と言う「古い革袋」には縛られない。日本でも、宗教儀礼や習俗に縛られている人が多い。この世には辛いことや悲しいことが満ちていて、いつ自分がそのような不幸に見舞われるか分からない。災難に会いたくないという願望と不安が、たとえば、大安、仏滅という暦に縛られたり、占いに捉われたりして、不自由になるのである。
 主イエスは「花婿であるわたしが一緒にいる」、「わたしは世の終わりまで、あなたがたと共にいる」と言われる。神の国に招かれて、主イエスと共にいる者たちは宗教儀礼から自由にされる。辛い日や悲しい日があっても、失望しないで喜んで生きることができる。これが婚宴にたとえられた神の国の福音である。


著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/

朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。

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