イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、元気を出しなさい。あなたの罪は赦される」と言われた。
マタイによる福音書9章2節
人々が中風の友人を主イエスのもとに連れて来た。彼らは主イエスが病める友人を癒してくださると信じたのである。主は彼らの信仰を見て、中風の人に今日の聖句を語った。主イエスが中風の人の病気を癒さず、彼に罪の赦しを宣告したのはなぜか。病気は癒されても、いつかまた病むが、罪の赦しこそ人を完全に癒すからである。
神は人を「神のかたち」に創造した。それは人が神と向き合い、義にして愛にいます神の御心を知って、これを行うためである。ここに人が神に生かされて、生きる意味がある。神のみ心を知ろうとせず、自己本位に生きることは、神に対する罪である。神は人の罪を裁く義なる方である。人が罪を犯して、生きる意味を喪失している現実に、すでに神の裁きがある。人は生きる意味を喪失しているかぎり、たとえ多くの物を所有しても充足感がなく、希望のない死が待っているだけである。しかし、神は人を罪とその裁きから救うために御子イエスを世に遣わされた。主イエスは神の義と愛を説いた。しかし、人は主イエスを退け、十字架に引き渡した。主は十字架において人の罪を負い、罪人に代わって罪の裁きを受けたのである。主の十字架を仰ぐ者は、人の罪を赦す神の愛を見るであろう。まさに主イエスは十字架の主として、「あなたの罪は赦される」と語りかける。罪の赦しの言葉を聞く者は、神に義とされ、神の愛のうちに生きるようになる。その時、貧しさ、病気、老い、死は、恵みと希望に気づく機会へと変えられる。罪の赦しは、新しい生活を始めさせる神の恵みである。
著者：内藤淳一郎 （1999年〜2014年 当教会主任牧師）
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
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この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。
