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朗読 『一日の発見 365日の黙想』1月25日

1月25日

「なぜ怖がるのか。信仰の薄い者たちよ」。 

 マタイによる福音書8章26節 

 

 福音書は、主イエスの復活後、弟子たちが教会で語った言葉を編集したものである。それは主イエスの伝記ではなく、復活の光に照らされて、あの時あのように語り、働かれた主は今も生きて語り、働いておられるという信仰の証言である。 
 主イエスは神の国の福音を宣教するために、「向こう岸」に行こうとした。主が船に乗り込むと、弟子たちも従った。ところが、湖上に出た船は嵐に見舞われた。弟子たちは恐れて、「主よ、助けてください。おぼれそうです」と叫んだ。主は弟子たちに「なぜ怖がるのか。信仰の薄い者たちよ」と言ってから、嵐を静められた。主が一緒におられるのに、嵐を怖がる弟子たちは不信仰と言われても仕方ない。しかし、主はこの不信仰な者の叫びを聞いてくださる。私たちも人生の嵐に遭う度に、幾度、不信仰な叫びを上げたであろう。しかし、その度に、主は私たちの叫びを聴いて、時宜じぎかなった助けを与えてくださった。その繰り返しの中で、不信仰な私たちが主イエスを信じる者に変えられてゆく。 
 主の復活によって船出した初代教会は、ユダヤ教から、そしてローマ皇帝から迫害され、嵐の海の小船のように翻弄ほんろうされた。このような時代の中で、弟子たちはかって主イエスが向う岸に行くために自分たちを伴って乗りこんだ船に、教会の姿を見て、海の上で経験した出来事を信徒たちに語った。信徒たちは弟子の語る宣教を通して、復活の主が語っている言葉を聞き、信仰を取り戻して宣教の業に励んだ。こうして教会は嵐の時代を突き抜けて、全世界に広がって行った。今も、教会は復活の主に伴われ、時代の逆風を越えて、「向こう岸」に向かって行く。 


著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/

朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。

 

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