イエスが手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、たちまち、重い皮膚病は清くなった。
マタイによる福音書8章3節
主イエスが山から下りると、重い皮膚病の人が主に近寄って来た。当時、重い皮膚病の人は神に呪われた者として、町の外に隔離され、律法によって人々に近づくことを禁じられた。主に近づいた重い皮膚病の人は、ユダヤ社会の厳しい律法を破り、石打ち刑の危険さえ覚悟していた。彼をしてこのような冒険をさせたのは、悲惨な状況から救われたいという切なる願いと、主イエスに対する絶大な信頼であった。彼は「主よ、御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」(2節)と言った。彼は主が意思すれば、その意思どおりになる力のある方、神と等しい方であると主イエスを信じた。そして、主の自由な意思を尊重して、「御心ならば」と謙遜に言い、かつ大胆に願った。この病人から、私たちは主に対する謙遜と大胆さを学ぶ。主イエスは「よろしい。清くなれ」と言って、手を差し伸べ、その体に触れて、彼を癒した。重い皮膚病を患って社会から差別され、締め出されていた人を癒すことは、主の御心であった。
主イエスは病人の苦しみと悲しみに深く共感し、これを担われる救い主である。旧約聖書の預言者イザヤは神が世に遣わされる救い主・メシアについて、「彼はわれわれの病を負い、われわれの悲しみをになった」(イザヤ53:4)と預言した。主イエスは人々の患いをその体に負い、その悲しみを担うために、人の体を持つ方として世に来られた。謙遜と大胆さをもって主に近づき、その御手に触れていただく者は、罪と患いを癒されて、神の恵みの中で生きる者とされる。
著者：内藤淳一郎 （1999年〜2014年 当教会主任牧師）
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
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この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。
