あなたがたは地上に富を積んではならない。富は、天に積みなさい。
マタイによる福音書 6章19~20節
富とは、私たちが持っているものである。富は、お金であり、体であり、時間である。富の使い方にその人の価値観が現われる。私たちは価値がないと思うものには、自分の富を一銭たりとも使いたくないが、価値があると思うものには他のものを割いても使う。
「富を天に積む」とは、富を神の御心を行うために使うことである。神の御心の第一は、神を愛すること、神を礼拝することである。礼拝において捧げる賛美、祈り、献金、奉仕は「富を天に積む」行為である。神の御心の第二は、隣人を愛することである。困窮している隣人のために、お金を使い、体や時間を使うことは、「富を天に積む」行為である。
富を天に積む行為は、神こそ最高の価値であると知る者において可能である。すなわち、神が私を造り生かしめているという祝福を知る者、神が御子を与えてくださるほどに私を愛しているという祝福を知る者において可能である。神の祝福を知って初めて、私たちは富を神のために用いる。
富を天に積む行為によって、私たちの心は天に向けられ、ますます神の祝福を知る。それゆえに、主イエスは「富は、天に積みなさい」と命じ、「あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ」(21節)と言う。神のために富を使うことによって、私たちの心は天にあり、神に拠り頼んで生きる幸いを知る。「目が澄んでいれば、あなたの全身が明るい」(22節)という主イエスの言葉も同じ趣旨である。心の目が天の一点に向けられていれば、輝いて生きることになる。
著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
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この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。