マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。
マタイによる福音書1章21節
マタイによる福音書は、マリアによってキリストが生まれたと伝える。キリストの処女降誕を聞いて、人々はそんなことはあり得ない、あるいはおとぎ話と決め、気にも留めないかもしれない。クリスマスを理解するためには、福音書はこの世の事件そのものを伝える歴史書ではなく、事件の背後に働く神の業を見た信仰者たちの証言集であることを知らなければならない。世界の出来事は人間だけによって動かされているのではない。世界は神が支配し、神の霊が働いているのである。世界は人間の罪によって混乱の度を深めているが、神が支配しておられるからなお保たれている。
マタイは主イエスの誕生を、神の霊による出来事であることを伝えて、「マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである」(20節)と語る。それは今日の聖句のように、神の意思に背いている人類をその罪から救う神の出来事である。神の意思は人間の良心に刻まれており、またモーセの律法を通して示されている。主イエスは神の意志を、心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛せよ、また隣人を自分のように愛せよと言った。
神はイエス・キリストを通して、私たちの罪を赦す救いを現わされた。私たちは神と向き合い、神の言葉を聞かなければならない。そうすれば、自分がいかに罪人であるかを知り、キリストによる罪の赦しを恵みとして受けるのである。聖霊は私たちに神の愛を確信させると同時に、私たちを神の御心に適う人間に造り変えてくださる。
著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。