わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう。
マタイによる福音書4章19節
主イエスは、異邦人の多いユダヤの辺境の地ガリラヤで、「悔い改めよ。天の国は近づいた」(3:2)と宣べ伝え、宣教を開始した。主イエスがガリラヤ湖の漁師たちに、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」(17節)と招くと、彼らは網を捨て、父親を残して、すぐに主に従った。彼らは家族や生活の心配をすべて主に委ねて、従ったのである。主イエスが説く「天の国」、すなわち神の恵みの支配にあずかるのは、主の招きに応えて、従うことから始まる。
主イエスに従った漁師ペトロたちは、今日の聖句のように、「人間をとる漁師」にされたのである。主イエスの福音宣教は、神の前に失われていた人間を神の国に招く働きであり、弟子たちは主イエスの働きに参与する伝道者とされたのである。
今日、主イエスに従う者はだれでも、主によって「人間をとる漁師」とされたのである。キリスト者は皆、主と共に宣教の働きを担う伝道者である。特定の人だけが伝道者ではない。主イエスに従う者は、幸せで平穏無事な人生を保証されるのではない。主イエスに従うとは、主の伝道の働きに加わることであるから、その人生には苦労が伴うのである。しかし、幸いなことは、いつも「わたしについて来なさい」と言われる主イエスが共におられる人生である。だから打ちのめされても、倒されない。四方から苦しめられてもゆき詰らない。死の陰の谷を行く時も、災いを恐れない。主イエスに従う人生は、今も救いのために働かれる主のみ業を見る人生、神の支配を信じ、神に希望をおいて生きる人生である。
著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。