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朗読 『一日の発見 365日の黙想』6月7日

6月7日

婦人たちは墓を出て逃げ去った。震え上がり、正気を失っていた。そして、誰にも何も言わなかった。恐ろしかったからである。

マルコによる福音16章8

 主イエスに従ってエルサレムに入り、主の十字架の死に直面した婦人の弟子たちがいた。安息日が終った日曜の早朝、彼女たちは主の遺体に香油を塗るために墓に行った。それは死者に対する彼女たちの精一杯の葬りの行為であった。ところが、墓に着くと石が転がしてあり、墓の中に主イエスの遺体がなかった。しかも、神のみ使いが現われて、「あの方は復活なさって、ここにはおられない」と彼女たちに語り、ガリラヤで復活の主とお会いできると弟子たちに告げるように命じた。これに対する婦人たちの反応が今日の聖句である。そして、マルコはこの言葉で福音書を終えている。
 主イエスの復活を告げられて、彼女たちは喜ぶどころか、恐ろしくて、弟子たちに何も言わなかったというのである。主の復活を聞くことは、彼女たちには全く思いもよらない、恐ろしいことだったのである。主イエスの復活は、彼女たちの願望が作り出した話ではない。主に対する敬愛の念や主の強烈な印象が心によみがえったという出来事でもない。それは弟子たちにとって全く想定外の出来事であった。福音書の記述には混乱が見られるが、それは口裏を合わせた証言でなく、弟子たちが経験した霊的な出来事を証言しているからである。まさに復活の出来事は、弟子たちの外側から突き入って来て、彼らの生き方を大きく変える神の力となったのである。主イエスの復活は、絶望のどん底にいた弟子たちを立ち上がらせ、復活の証人として全世界に押し出した神の力である。


著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/

朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。

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