3月16日(日)
主日礼拝 宣教要旨
聖書箇所 フィリピの信徒への手紙 4章4-7節
「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。」
フィリピの信徒への手紙 4章6節
私たちは日々、喜びや不安を経験し、思い煩いに心を支配されることがあります。しかし、聖書は「主において常に喜びなさい」と勧めています。この勧めを体現した人物の一人がヴィクトール・フランクルです。彼はナチスの強制収容所という極限の状況の中で、「どんな状況でも、自分の態度を選ぶ自由がある」と気づき、感謝の心を持ち続けました。同じように、パウロもローマで監禁されながらフィリピの信徒に「喜びなさい」と語りました。彼の喜びは、状況によるものではなく、主が共におられるという確信から来るものでした。旧約の預言者ハバククもまた、国が滅びる危機の中で「収穫がなくても、主によって喜ぶ」と告白しました。
フランクル、パウロ、ハバククに共通するのは、「環境ではなく、神への信頼によって生きる」という姿勢です。私たちも困難の中で何を見るかを選ぶことができます。試練の中にも神の恵みを見出し、感謝を持って歩むとき、主にある真の喜びを経験するのです。
この喜びは、一時的な感情ではなく、神への信頼から生まれるものです。環境が変わっても、主が共におられるという確信がある限り、揺るがない喜びを持つことができます。そのために大切なのは、御言葉に立つこと(詩編119編105節)、神との交わりを深めること(祈りを通して平安を得る)、感謝の心を持つこと(フィリピの信徒への手紙4章6節)です。感謝をもって歩むとき、神の恵みを思い起こし、未来を信頼して生きることができます。主にある喜びは、どんな状況でも私たちを支える力となるのです。
パウロは「思い煩うのではなく、感謝を込めて祈りなさい」と勧めます。感謝の祈りとは、神の恵みを思い起こし、信頼して未来を委ねることです(詩編103編2節)。感謝の祈りは私たちの視点を変え、不安ではなく希望に目を向けさせます。そのために、神の恵みを振り返る、日々の小さなことにも感謝する、試練の中でも神の導きを求めることが大切です。感謝をもって祈るとき、神の平安が私たちを満たし、信仰をもって未来を歩む力となるのです。
未来には不確かなことが多くありますが、神の平安は私たちの心を守ります。それは、問題の解決ではなく、「神が共におられる」という確信から生まれるものです。この平安を持って歩むために、神の約束を信じる(ヘブライの信徒への手紙13章5節)、日々の生活で平安を求める、他者と平和を分かち合うことが大切です。
感謝をもって祈るとき、神の平安が私たちを満たし、不安ではなく希望の中で歩む力となります。賛美をもって主への信頼を告白し、新しい年度も神と共に歩んでいきましょう。