2025年3月2日(日)
主日礼拝 宣教要旨
聖書箇所 テサロニケの信徒への手紙一 5章16-18節
「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」
テサロニケの信徒への手紙一 5章16-18節
本日の聖書は「いつも喜び、絶えず祈り、どんなことにも感謝しなさい」と教えています。この言葉を記したパウロは、多くの迫害と試練を経験しながらも、牢獄の中でさえ「主において常に喜びなさい」(フィリピの信徒への手紙 4章4節)と勧めました。彼の喜びは状況に左右されるものではなく、神との深い関係から生まれるものでした。
「いつも喜ぶ」とは、感情の高揚ではなく信仰の選択です。詩編記者は「主の御顔を仰いで満ち足り、喜び祝い」(詩編16編11節)と語り、喜びの源が神ご自身にあることを示しています。ハバクク書3章17-18節の「それでも主にあって喜ぶ」という信仰告白のように、どんな状況でも神に信頼する姿勢が求められます。試練さえも、信仰を成長させる機会となるのです(ヤコブの手紙1章2-3節参照)。
「絶えず祈りなさい」という勧めは、四六時中祈り続けることではなく、日常のあらゆる場面で神との交わりを持つことを意味します。使徒パウロは「思い煩わず、感謝を込めて祈る」ことを勧め、そうすれば神の平安が与えられると約束しています(フィリピの信徒への手紙 4章6-7節参照)。困難のときの祈りは神の支えを受け、喜びのときの祈りは感謝を深め、迷いのときの祈りは神の導きを受ける機会となります。
「どんなことにも感謝しなさい」という教えは、良いことも試練の中でも感謝することが求められています。感謝とは単なる感情ではなく、神のご計画を信じる信仰に根ざした応答です。ローマの信徒への手紙 8章28節は「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働く」と約束しています。旧約のヨセフも兄たちに憎まれ、苦難を経験しましたが、後に「あなたがたは私に悪いことをたくらみましたが、神はそれを善に変え(てくださった)」(創世記 50章20節)と兄弟たちに語りました。感謝には祝福があります。それは、信仰を強め、困難の中でも神の導きを実感する機会となることです。「主を喜び祝うことこそ、あなたたちの力の源である」(ネヘミヤ記 8章10節)という言葉のように、感謝と喜びは私たちの歩みの力となります。
一年を振り返りつつ、新しい年度に向けて、喜びの源が神との関係にあることを覚え、「どのようなときも、主をたたえ、絶えることなく賛美を歌う」(詩編 34編2節)姿勢を大切にしていきましょう。困難の中でも「神は最善をなしてくださる」と信じるとき、感謝の心が生まれます。いつも喜び、絶えず祈り、どんなことにも感謝する生き方を通して、新しい年度も豊かな恵みの中を歩んでいけたらと願っております。