斎藤 信一郎 牧師
そして、彼らと食事を共にしていたとき、こう命じられた。「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。
使徒言行録1章4節
主イエスの十二弟子ではなかったルカは、如何にして福音書と使徒言行録を書き得たのでしょうか。コロサイの信徒への手紙4章14節「愛する医者ルカとデマスも、あなたがたによろしくと言っています。」から、彼が医者であったことが分かっています。また使徒言行録16章10節「パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐにマケドニアへ向けて出発することにした」という箇所以降、度々登場する「わたしたち」がルカだと考えられています。その理由のひとつが、新約聖書中「聖霊」という言葉が他の新約聖書では多くて5回しか用いられていないのに対して、ルカによる福音書13回、使徒言行録42回と格段に多く使用されているからです。このため、使徒言行録は別名「聖霊行伝」と呼ばれます。これらを総合して考えると、ルカはパウロの第二回目の伝道旅行の途中から同行したことになります。そしてパウロがローマに護送されてそこで裁判を受けた時も共にいたことになります。従って、その間に主イエスに関する貴重な資料やその後の弟子たちの情報を集めたと考えられています。
先週、キリスト教の三大行事のひとつであるイースター礼拝を行いました。イースターまでの7週間は受難節としてキリストのご受難を覚えながら過ごすとすれば、次の7週間後のペンテコステ礼拝まではどのように過ごすと良いのでしょうか。ルカが強調しているのは、生前のキリストも復活後のキリストも、聖霊の導きを祈り求めることの重要性です。実際に弟子たちが伝道を開始していくのは、主イエスが復活してから50日後のペンテコステの日、すなわち聖霊降臨日からでした。では、その間弟子たちは何をしていたのか。主イエスが祈り求めるように命じられた聖霊の祝福を彼らはひたすらに心を合わせて祈っていたことが語られています。それほどまでに主イエスが重要視された聖霊の祝福について共に理解を深めて参りましょう。そして、私たちも共に聖霊の祝福を祈り求めて参りましょう。
Clker-Free-Vector-Images、Johannes PlenioによるPixabayからの画像
アイキャッチ画像は上記より用いさせていただきました。