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主日礼拝宣教要旨

2017年12月10日(日) 礼拝宣教要旨 「偏見の多い世の中で」 ルカによる福音書 1章5-7節

西川口キリスト教会 斎藤 信一郎 牧師

「しかし、エリサベトは不妊の女だったので、彼らには、子供がなく、二人とも既に年をとっていた。」

ルカによる福音書 1章7節

マタイによる福音書がユダヤ人読者を対象にし、イエスがダビデ王を含むイスラエルの王の家系から生まれたことを強調したのに対し、ルカによる福音書では異邦人読者を対象にして、イエスが祭司の家系から生まれたことを強調しました。

ザカリアはダビデ王の時代から続く由緒あるアビヤの組の祭司であり、妻のエリサベトに至っては初代の大祭司となったモーセの兄アロンに遡ることができる家系でした。イエスの母マリアはこの夫妻と親戚だったのです。従って、イエスの家系は由緒ある祭司の家系とつながることになります。

さて、ザカリア夫妻は一族の稼業である祭司職を受け継ぐ子どもがいないまま、老年になってしまいます。当時は祭司職を次世代に継承することは極めて大事なことでした。しかも、子宝に恵まれないことは神に対して何らかの罪を犯したためと考えられてしまう時代でした。そのため、彼らは大変肩身が狭い思いを長年して来たはずです。そこで、少しでも後ろめたい思いを払い除けるために、人一倍正しい生活を送らざるを得なかったと考えられるのです。客観的には非の打ちどころのない模範的な夫妻だったのかもしれません。しかし、偏見に苦しみ、心の内では常に稼業を継承する子どもがいないという落胆の思いを秘めていた夫妻だったことでしょう。これと状況は違っていても、現代でも願いが叶わないことで悲しみ、偏見に苦しみ、落胆して生きている人は相当数おられることと思います。

ルカによる福音書は、そんな私たちの現状を神が顧みて下さるために御子イエス・キリストを救い主としてこの世に遣わされたことを語っていきます。人を偏り見ない、イエス・キリストの福音がクリスマスの機会に少しでも世界中の人々に分かち合われることを切に祈りたいと思います。

 

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