2024年12月22日(日)
クリスマス礼拝 宣教要旨
ルカによる福音書 2章8-14節
「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」
ルカによる福音書 2章11節
メリークリスマス!
主イエスの降誕を祝い、2024年のクリスマス礼拝を共に捧げられること、そして一人の方がバプテスマを受け、私たちの教会共同体に加わる恵みを心から感謝します。バプテスマは、救いの条件ではなく、神の愛と赦しを信じ、主に従う決意の表明です。私たちも祈りと励ましをもって、その方の新しい信仰の歩みを支えていきたいと願います。
クリスマスは、神が御子を与え、光を灯された日です。キャンドルの灯火が希望を象徴するように、私たちの心も温められ、喜びが広がります。ルカによる福音書は、すべての人への救いを強調し、その象徴として羊飼いたちが最初に「救い主の誕生」を告げられました。社会的・宗教的に疎外されていた彼らに神が愛と希望を与えたことは、福音が特に弱き者たちに向けられていることを示しています。「飼い葉桶の乳飲み子」というしるしは、神の力が謙遜と弱さを通して現れることを象徴しています。
本日の聖書は、社会の不条理や不義の闇に光をもたらす道を示します。現代の貧困や不平等、気候変動、災害、戦争といった課題に直面する中、イエスは弱者に寄り添い、癒しと希望を与えました。その生き方は、不正義に向き合い行動する模範です。クリスマスの光は、自分自身を照らすだけでなく、苦しむ人々と分かち合い、希望を広げるためのものです。この光を携え、イエスの精神を生きることを目指したいと願います。
また、現代社会では、政治的対立や宗教的偏見、文化の違いが分断を生み出し、互いを「他者」として排除する傾向が強まっています。SNSのエコーチェンバーも対話の機会を減らし、相互不信を助長しています。主イエスは、サマリア人や徴税人、罪人と呼ばれる人々に積極的に関わり、「隣人を自分のように愛しなさい」という教えを実践されました。この愛は、敵対や違いを超えてつながりを築く力を持っています。このクリスマス、イエスが示された愛と和解を心に刻み、「他者」を受け入れ共に歩むことで、関係性の闇を光で照らし、平和と希望を広げていけるよう努めてまいりましょう。
さらに、現代社会では、競争や孤立、自己否定が私たちの内面に「闇」をもたらします。SNSもつながりを見せつつ、劣等感や孤独感を増幅させる一因となっています。しかし、主イエスは「わたしは世の光である」(ヨハネ8:12)と語り、私たちに癒しと希望を与えてくださいます。イエスの光は、自己否定や絶望から解放し、新たな意味と生き方を示します。このクリスマス、私たち一人ひとりがその光を受け入れ、自らが光を放つ存在となることを目指しましょう。小さな思いやりや対話が集まり、大きな希望の光となるよう願いながら、共に歩んでまいりましょう。