あなたがたも、聖なる口づけによって互いに挨拶を交わしなさい。
ローマの信徒への手紙16章16節
パウロはローマ教会の信徒たちの名前を挙げて、「主に結ばれている人たちによろしく」と挨拶する。教会の交わりは、人間的な友情を超えて、主に結ばれた交わりである。今日の聖句の「挨拶を交わす」とは、「シャローム(平和がありますように)」と声を交わすことである。これは復活の主イエスが弟子たちに近づいて、声をかけた言葉である(ヨハネ20:19)。「シャローム」と声をかけてくださる主イエスを心にお迎えする時、私たちのうちに神の平和が支配する。「シャローム」は私たちを神と結び、そして、人と人を結ぶ言葉である。
主イエスは弟子たちを福音宣教に遣わすにあたり、「どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい」(ルカ10:5)と命じた。私たちが交わす挨拶は、平和の福音を分かち合うことである。教会は「シャローム」と言って挨拶を交わし合う交わりである。私たちが教会で交わす挨拶は、たとい「こんにちは」という言葉であっても、「主の平和がありますように」という願いが背後にある。
自分から挨拶するのは難しい。気心が分かっている人ならともかく、知らない人や、対立している人に挨拶するのは難しい。しかし、主イエスは弟子たちに「自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。」(マタイ5:47)と言って、だれに対しても分け隔てなく挨拶するように命じている。私たちは主にあって結ばれる教会の交わりの輪の広がりを願って、だれに対しても、すすんで挨拶をしよう。
著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。