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朗読 『一日の発見 365日の黙想』4月9日

4月9日

神は御自分が憐れみたいと思う者を憐れみ、かたくなにしたいと思う者をかたくなにされるのです。

ローマの信徒への手紙9章18節


 イスラエルは神に選ばれた特別な民である。神はイスラエルを世界の民を祝福する源とするために選び、彼らにご自身を啓示された。イスラエルが信じた神は、彼らの思索や願望によって作りだした神ではない。歴史の中で彼らを憐れみ、また裁く出来事を通してご自身を啓示した創造者なる神である。神はこの民の中に御子みこを遣わし、その生涯、その死と復活を通して、ただ一回かぎり、決定的な仕方で神の義と愛を啓示された。今、神は御子みこイエス・キリストによって啓示した福音の宣教を通して、人間を救い、神の国(支配)を打ち立てられる。
 福音の宣教者として立てられたパウロは、同胞イスラエルのために心の痛みを感じていた。神の特別な民であるはずのイスラエルが、キリストの福音を拒んだからである。なぜ神は彼らをかたくなにされるのか。今日の聖句は、この問いに対する旧約聖書(出エジプト記33:19)から引き出された答えである。それは人間には納得し難い答えであろう。しかし、まさに神は、人間の願望によって作られ、人間の考えに従う神ではない。神は、ご自身の自由な考えと選びによって救いの業を進める超越者である。それでは、救われる者と救われない者が最初から決まっているのか。そうではない。救いは神の一方的な憐れみである。神は御子みこを通して啓示したご自身の一方的な真実と憐れみによって、人間を救い、神の国を成就される。歴史は強力な国家の恣意しいや人間の計画によって動いているのではない。私たちの思いを超えて、神が歴史を支配し、救いを計画し、神の国を成就するために働いておられる。


著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/

朗読はすべて教会員によるものです。文章と音声の転用はご遠慮ください。
この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。

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