愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。
ローマの信徒への手紙12章19節
裏切られたり、不当な目に遭ったりすれば、私たちは怒るであろう。怒りは自然な感情であり、それ自体は悪いことではない。しかし、怒り続けることがいけない。怒りは、自分が怒っている他者を傷つけるよりも、自分自身を傷つけるからである。「愚かな者は、怒りによって自分を滅ぼす」(ヨブ5:12)。今日の聖句は、私たちが怒りによって滅びないための勧めである。
私たちが復讐心から解放されるのは、イエス・キリストによって神に赦され、神を父と呼ぶ幸いを知ることによる。この幸いに生きているから、赦すのである。相手の悪を放っておくことは正しいことではないが、自分が受けた傷(トラウマ)から解放されることがもっと大事である。
「復讐しない」という決心は、神の怒りに任せることである。神による審きの日が来る。その日、私たち自身が神に赦された人間として、その恵みにふさわしく神の前に立つことが大事である。人生には、私たちを苦しめるさまざまな出来事があり、赦せないと思う人々がいるであろう。しかし、神はさまざまな試練を通して、私たちを神の国にふさわしい者に訓練する。私たちを訓練するために、神は地上にさまざまな悪しきことが存在するのをゆるしておられる。永遠の御国に比べたら、この地上の人生は実に短い。この地上の人生は、神の国に備える準備の時でもある。
私たちはイエス・キリストによって天の父なる神の摂理と愛の中に包まれているのであるから、この世の不当とも思える苦しみも神から来るものと信じて受け、祈りを深くすれば、すべてに望みと忍耐をもって善処する心構えが与えられる。
著者:内藤淳一郎 (1999年〜2014年 当教会主任牧師)
2020年にクリスチャンプレスに掲載されたご本人のインタビューを下記のリンクよりお読みいただけます。 https://christianpress.jp/naitou-junichiro/
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この朗読は『一日の発見 365日の黙想』の著者、内藤淳一郎氏の許可を得て、日本バプテスト連盟西川口キリスト教会が作成し毎日発信しております。