2016年9月4日(日) 礼拝宣教要旨 西川口キリスト教会 斎藤信一郎
主題)「木によって実を知る」マタイによる福音書7章15-20節
「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。」(15節)
キリストは単刀直入に「偽預言者を警戒しなさい」と私たちに命じておられます。何故警戒が必要なのか。それはまず何よりも見抜くのが困難だからです。敵は羊の皮を身にまとい、私たちの仲間のようにして近づきます。しかも被害は甚大で、仲間を次々に殺していくため、偽預言者は最大級の警戒レベルと認識して警戒するようにと命じています。
このたとえを聞く時、私たちは自分を蚊帳の外に置いて考えがちです。しかし、主イエスが警戒するように教えておられるのは、まずは自分のことではないでしょうか。私たちは両面を持ち合わせている存在です。だからこそ、狼が顔を出さないように警戒する必要があるのです。
主イエスはそのために「実を結ぶ」というキーワードを用いて教えて下さっています。私たちが目指すべきは、ぶどうやいちじくのように、他の人においしく食べてもらえる良い実を結ぶことです。いばらやあざみは、人に食べさせることができる実を結ばず、かえってそのとげで、関わろうとする者を傷つける可能性がある植物です。このたとえを通して主イエスは、人を遠ざけ傷つける生き方ではなく、人が近づきたくなり、隣人のためになる生き方を心がける者になることを求めておられます。
だれも最初から人を傷つけたいなどとは思わないものです。しかし、警戒していないと、いつの間にか偽預言者になっていくのが世の常です。私たちの内側にある偽預言者に警戒したいと思います。幸い、良い実を結ぶために、私たちは自分の力に頼る必要はないことを主イエスは教えておられます。まず罪を悔い改めること(マタイ福音書3章8節)、キリストにつながり続けていると、主イエスご自身が実を結ぶ手入れをして下さること(ヨハネ福音書15章2節)、高齢になってなお実を結び続けて、伝道のお役に立てること(詩編92編15節)です。そして聖霊を通して、キリストの人格を形成する9つの御霊の実(ガラテヤ5章22節)を約束して下さっています。
共にキリストが与えて下さる信仰の実を、豊かに結ぶ者にされていきましょう。