2016年7月31日(日) 礼拝宣教要旨 西川口キリスト教会 斎藤信一郎
主題)「思い悩まない秘訣」マタイによる福音書6章25-34節
「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。」(33節)
悩むなと言われても、思い煩いだらけの私たちの日常の現実があります。そんな私たちに主イエスは、その原因と対処法を今回の箇所で示して下さっています。その原因の一つは信仰の未熟さにあります。「何よりもまず」…つまり、すべてに優先させて神の国と義を求めることが、問題解決に不可欠だと主イエスは語ります。
しかし、理屈では分かっていても、なかなか現実にはどうすればいいのでしょうか。そのために主イエスは、空の鳥を見なさいと薦めます。私たちが思い悩んでいる時ほど、自分と関係者にばかり目が向いてしまいます。そこから一端、全く利害関係のない空を自由に飛んでいる別の創造物に目を向けるように、と言われます。すると、神はありとあらゆる生き物の必要に、責任をもって備えていて下さっていることに改めて気づかされます。また、私たちが神から与えられている人生の使命と言うものも、自分が直面している悩みを用いてこそ、意味がある他者への奉仕となる場合もあります。人生に無駄なことはないのです。
それでは、神を第一にするためには何から始めたらいいでしょうか。それには神より大事にしていることを手放すことです。私たちは、あれもこれも多くのことを大事にしようとして、本来私たちが管理できる以上のことをしている現実があります。一度立ち止まって、自分が本来神に実行するように求められていることとは何か、また、優先順位とは何かを見つめ直して下さい。そうすると、悩みや思い煩う出来事も、私たちが背負うべき自分の十字架である場合すらあります。悩みから逃げるのではなく、悩みと向き合うことも大切です。主イエスは、苦労が無くなる方法を示して下さっているのではありません。主イエスが語られているのは、神が与えて下さっている「その日の苦労」に専念することではないでしょうか。それを正しく受け止めることができるようになった時、私たちの苦労は価値あるものに変えられて行くのです。