2016年4月17(日) 礼拝宣教要旨 西川口キリスト教会 斎藤信一郎
主題)「腹を立てると損をする理由」 マタイによる福音書5章21-26節
「しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。」(22節)
今回の箇所はキリストの宣教の特徴が色濃く出ている箇所のひとつです。殺人罪はだれもが認める重罪だということを話した後で、イエスは心の中で兄弟に対して腹を立てる者も同罪だと主張し始めます。これだけでも驚きですが、この後も次々に内容がエスカレートして行きます。次に、兄弟に対して「ばか」という言葉の暴力を用いれば、現代で言う最高裁判所までもつれ込み、さらに相手を蔑むような「愚か者」などと言う者は地獄の刑罰に匹敵する罪を犯すことになると教えました。
そして、イエスの教えはさらに続きます。これまでのものが、本人が抱く感情であったり、本人が発する言葉であったのに対して、次は相手に反感を持たれることを問題にし、そのような状態のままで礼拝に行くことを一時中断し、まずその兄弟と仲直りするようにと主張します。相手に反感を持たれているということは、先にイエスが教えたように相手に腹を立てさせるという重大な罪を犯させているのですから、自分のせいで相手が礼拝どころではない状態になってしまっている責任を取り、自分の罪を赦していただくために礼拝に行く者としてふさわしい状況を作ってから、罪の赦しのための献げものをしなさいと教えられました。また、相手が訴えて裁判を起こそうとしているような場合には、何としてでも裁判になる前に相手と和解するようにしないと、牢獄(地獄を示唆)に情け容赦なく入れられて責任を最後まで問われることになってしまうと教えられました。
キリストはいつだって真剣に人々に神の国の真理を教えました。そして、その基準に達することができない私たちのために十字架を背負って罪のあがないの死を遂げて、罪とその誘惑に勝利する突破口を切り開いて下さいました。私たちがキリストを信じて従う時、聖霊が私たちに罪に勝利できるように導いて下さいます。