「立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい」 2015年3月29日 ルカによる福音書22章31~34,54~62節
22:32 わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。
イエス様が、十字架で亡くなられたのは金曜日の午後3時頃と言われています。その前の夜、イエス様は十二弟子と一緒に最後の晩餐をなさいました。食事の席上、「主よ、御一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と宣言するペトロに対して、イエス様は「あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう。」とペトロの離反を予告されます。
食事の後、イエス様はゲッセマネの園で逮捕され、大祭司の邸に連行されました。他の弟子達は逃げてしまいましたが、ペトロだけは遠く離れながらも連行されるイエス様を追い、大祭司邸の中庭に潜り込みます。中庭で人々から、「この人も一緒にいました」と指摘されたペトロは、自分も捕まって殺されることを恐れるあまり、「わたしはあの人を知らない」と、イエス様の予告の通り、三度にわたってイエス様との関係を激しく否定してしまうのでした。
イエス様は、人は「心は燃えても肉体は弱い」ことを良くご存知でした。だから、「わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。」と、ペトロの離反に先んじてその信仰を守るためにお祈りをされ、更には、「立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」とイエス様の復活の証人となった後は、兄弟達を力強く支える初代キリスト教会の指導者となるよう使命を与えられました。
このイエス様のお祈りは、ペトロだけではなく、現代の私達を含むすべての人類のために祈られたものではないでしょうか?私達は弱い。苦痛を避けるため、物欲のため、最も愛する者でさえ裏切ってしまうかもしれないような不確かな存在です。イエス様は、そんな私達の弱さも含めて丸ごと愛して下さり、私達の罪を全部引き受けて十字架にかかられました。私達は、罪も弱さもそのまま赦されたことを感謝し、その愛に応えるように生きて行きたいと思います。