「期待して祈る」 2014年10月12日説教要旨
使徒言行録12章1~5、11~17節
12:13 門の戸をたたくと、ロデという女中が取り次ぎに出て来た。
12:14 ペトロの声だと分かると、喜びのあまり門を開けもしないで家に駆け込み、ペトロが門の前に立っていると告げた。
「絶えず祈りなさい」という今月の総合テーマに基づいて第2回目は祈りの質について御言葉に聞いていきます。マタイによる福音書6章7節にはくどくどと祈ってはならないことが語られていますが、それは言葉数を多くし、長く祈った方が神様に祈りが聞かれるとの誤った理解を戒めるものであって、長い祈りをしてはいけないということでも、繰り返し同じことを祈ってはならないという意味ではありません。今回の聖書の箇所もそれを裏付けています。場面はヘロデ王が十二弟子の一人ペトロを捕えて厳重に牢獄で監視させ、数日後に処刑しようと目論んでいるところから始まります。その間、教会では家に集まって熱心な祈りがペトロの救出のために捧げられます。まさに長い、繰り返しの祈りが捧げられたのです。その甲斐あって、ペトロは処刑予定日の前夜に天使の誘導のもと、奇跡的に牢獄の外に無事連れ出されて仲間のところへ駆けつけることができるようになりました。注目したいのは、その時、女中の知らせでペトロが戻って来たと聞いた人々がなかなか信じることができないばかりか、実際にペトロを目の前にしても驚くばかりでなかなかその事実を受け入れることができなかったということです。それとは対照的なのは今日まで名を聖書に残すことになったロデという女中です。彼女は門のところまで来て、声だけでそれがペトロだと分かると見ないですぐに信じて、神が教会の祈りを用いてペトロを救い出して下さったと瞬時に信じて喜びに満たされたことです。神様は必ず自分たちの祈りを用いてペトロを救って下さると期待して熱心に祈り続けたクリスチャンの模範がここにあります。私たちもロデの祈り続く者とされていきたいと思います。