2024年12月29日(日)
主日礼拝 宣教要旨
詩編65編 12-14節
あなたは豊作の年を冠として地に授けられます。あなたの過ぎ行かれる跡には油が滴っています。
詩編65編12節
出エジプト記には、奴隷状態から解放されたイスラエルの民が、荒れ野の旅路で神の支えを受けた物語が描かれています。不足する食料や水に不安を抱く民に、神は「マナ」や岩から流れ出す水を通して必要を満たし、共にいることを示されました。
今年四月、私たちの教会も新しい牧師を迎え、「新しい旅立ち」を始めました。その歩みには課題や試行錯誤もありましたが、神の恵みに支えられ、教会共同体としての信仰を強め、新しい交わりを築き、新しい信仰共同体のあり方や牧師としての役割を目指して歩みだしました。
詩編65編12節の「豊作の年を冠として」という表現は、神の完全で豊かな恵みを象徴しています。今年、教会として多くの実りを経験したこと、また個人の生活の中でも、試練の中で与えられた平安や成長があったことは、まさにこの恵みの現れです。「あなたの過ぎ行かれる跡には油が滴っています」という言葉の通り、神の祝福は私たちの歩み全体を覆い、周りの人々へと広がっていきました。
また、詩編65編13節の「荒れ野の原にも滴り」という言葉は、試練や困難の中にあっても神の恵みが注がれることで喜びに変えられることを示しています。今年、教会として礼拝や交わりの形を模索する中で、課題や不安に直面しましたが、神の恵みによって力を得て、充実した礼拝に備えることができました。同様に、人生の荒れ野とも言える困難(健康、家庭、仕事の悩み)の中にも、神の支えや祈りを通じた平安が与えられた瞬間があったことでしょう。
さらに、詩編65編14節には、神の恵みに満たされた世界が喜びにあふれた讃美を捧げる様子が描かれています。牧場には羊が群れ、谷は麦で覆われ、すべてが歌い、喜びの叫びをあげています。この姿は、神の恵みが全存在に及ぶことを示しています。今年、教会の礼拝や交わりを通して、この詩編の言葉が現代的に実現されたことを感じます。私たちそれぞれの歩みにおいても、日常の中に神の恵みがもたらす喜びがあったはずです。
「ものみな歌い、喜びの叫びをあげています」という詩編の言葉に倣い、今年一年の恵みに感謝の讃美を捧げましょう。それは私たち自身を新たにし、来る年への希望を与えてくれるでしょう。「主の恵みに包まれて」歩んだことに感謝し、希望をもって新しい年を迎える決意を新たにしましょう。