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主日礼拝宣教要旨

「だれのための正義か」戸井田 敦子

2024年2月11日(日) 礼拝宣教要旨
聖書箇所:ヨハネによる福音書 8章7節

 

「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」

ヨハネによる福音書 8章7節


 この聖書箇所は、律法学者やファリサイ人たちが姦淫の罪を犯した女を群衆の前に引きずり出して、「こうい う女は石打の刑にすると律法に書いてある。あなたはどう考えるか」とイエスに問う場面です。その当時の法律 では、石打の刑は正しく、当然のことであったのでしょう。勿論、現代の私たちの周りでは、このような処刑の 場面はありません。しかし、ある日誰かと諍いをし、意見が違うことから、批判したり、間違っていると思う者 を責めたり、というような場面は、日常生活でも、教会生活でも見られることです。なぜなら、私たちは主に従 いたい、主の目に「正しい」とされる者でありたい、信仰を貫き、正義がなされるのを見たいのです。 
 しかし、自分が「これが正しい」と信じた信仰が貫かれた先には、誰がいるのでしょうか。私たちが何かを主 張するとき、誰のための正義なのか、何のための正義なのかをもう一度考えてみる必要はないでしょうか。たっ た一つの考えだけが正しいのか、それによって苦しむ人はいないのか、信仰と言いながら「自分の」信仰を守る ことになっていないか、と。
 主は女を罪に定めませんでした。罪のない者はいない、私たちはすべて、罪あるが赦されたものです。このこ とを忘れず、隣人に石を投げないためにどうしたらよいのかと考えます。主は私たちに「憐れみ(自らのはらわ たがちぎれるように悲しい)」を教えてくださいました。隣人を、自分の基準で正しい・間違っていると判断せ ず、まずそのまま受け入れて尊重する。そのうえで、お互いを理解しようという心を持って、なぜそう思うの か、なぜそうするのかを丁寧に聴き合うことが求められるのではないかと思うのです。この多様性の時代、教会 もまた多様な意見を持つ人たちの集まりです。これからの西川口教会の歩みを考えるとき、主イエスに倣い、罪 赦された者としてお互いに聴き合い、祈り合い、新しい歩みを進めていけたらと願っています。

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