「イエスの道に従って」朴 思郁 協力牧師

「イエスは言われた。『正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。』」

ルカによる福音書10:28

　信仰は神への信頼と確信であり、行動と結びつき、私たちの人生に変化をもたらす力を持っております。主イエスも、信仰と行動の結びつきを強調し、聖書を通じて信仰の本質についての重要性をお教えになっております。今日の聖書は、有名な善いサマリア人のたとえが含まれており、主イエスと律法の専門家の対話に焦点を当てています。
　一般的に、善いサマリア人のたとえは、まるで実際に起きた出来事のように扱われていますが、忘れてはならないのは、このたとえがあくまで架空の人物を設定して創り出されたもので、ある重要な教訓をより理解しやすく説明するためのものであるということです。したがって、私たちは、イエスが律法の専門家と信仰の本質について対話している文脈を把握しつつ、善いサマリア人のたとえを理解しようとする聖書の読み方を試みるべきです。
　イエスは善いサマリア人のたとえを通して、律法の専門家に対して、律法に関する問いかけを投げかけ、実践が重要であることを指摘します。善いサマリア人のたとえは、隣人愛と実践の重要性を説明するための架空の物語であり、イエスの教えに対する理解を深める手法です。この対話は、信仰が行動によって示されることを強調し、信仰の本質を理解する助けになります。
　善いサマリア人のたとえは、信仰と実践の大切さを強調し、愛と奉仕を通じて信仰を実現することを教えています。信仰は単なる信じることではなく、行動で示すものであり、イエスの教えを実践することが真の信仰です。私たちの救いは信仰だけでなく、愛と実践を通じて成り立ち、隣人の愛と連帯を築くことが重要です。信仰と実践を調和させ、主イエスの教えに従うことで、真の隣人の愛と救いの本質を理解します。
　もう一つ、善いサマリア人のたとえを通じて示される重要な教訓は、人間理解と愛についてです。サマリア人とユダヤ人の敵対関係を背景に、異なる文化や信念を尊重しながら、どんな人々も無条件に愛すべきことが強調されます。私たちは偏見や差別意識に気をつけ、すべての人々を尊重し、愛する責任を持つべきです。善いサマリア人のたとえは、信仰を実践し、人間理解を深め、一人一人を尊重することの重要性を教えています。