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この受難節の時期に最も愛奏、愛唱される賛美歌のひとつであり、オラトリオ『マタイ受難曲』にたびたび挿入される楽曲としてご記憶の方もいらっしゃることでしょう。
この賛美歌の歌詞は12世紀頃ラテン語によって書かれました。修道僧によって書かれたこの詞は長らくカトリック教会で修道僧によって違うメロディーで歌われていました。
17世紀に入り、宗教改革によって、ドイツではプロテスタント教会で会衆が賛美歌を歌うようになります。難解なラテン語の歌詞を母国語に翻訳し、わかりやすくすることが盛んに行われ、1656年にパウル・ゲルハルトがドイツ語に訳しました。そのおかげで会衆が一つになってこの賛美歌を高らかに歌うことができるようになりました。
曲はよくバッハ(J.S Bach)の作と思われがちですが、メロディーはハンス・L・ハスラーによって1601年に発表されました。当時は違う歌詞であり、賛美歌としての発表は、もう少し後の1613年頃といわれています。このオリジナルの旋律を基に、バッハが卓越した作曲技法ーー和声法や対位法によって編曲をし、ゲルハルトによる歌詞の素晴らしさと相まって繰り返し演奏され、また愛唱される名曲になりました。今回奏楽した曲はバッハが1729年にアレンジ(編曲)したものです。
この賛美歌をじっくりと聞くとき、私たちの罪の贖いのために犠牲となられた、主イエスを覚え、悔い改めの思いと同時にそれほどまでに私たちを愛してくださる主の愛に気付かされます。
(文・演奏 山㟢美奈 教会音楽スタッフ)
第1週目の曲はこちらで聴けます♪ ↓
https://bap-nishi.net/2022-03-06-streaming-of-organmusic-for-lent/