『彼らのまねをしてはならない。あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。』
マタイによる福音書 6章8節
あらゆる活動において、事前準備をすることによって、心と体と環境を整え、集中力や成果が上がることを私たちは知っています。スポーツ、仕事、勉強、そして祈りも共通です。主イエスは祈る時の大切な心得について教えられました。
祈り方によっては、神に届かなくなる祈りがあることを主イエスは教えられました。当時の敬虔なユダヤ人たちが実践していた人前で祈る行為にも落とし穴がありました。神に心を向けて祈るはずの時間が、他の事に気を取られるために届かなくなるのです。そこで、主イエスは祈りに集中できる環境を整えるように教えられました。静かに祈る環境を家の外で見つけるのもよいでしょう。また、静かな環境を見つけて個人的に祈ることも大切ですが、祈祷会などに参加し、数人で協力して祈ることも、神に受け入れられることを主イエスは教えています(マタイによる福音書18章19-20節参照)。
現代においては、静かに祈る環境や時間を確保できない場合も少なくありません。そのような時には歩きながら、あるいは移動中などに目を開けたまま、目に入る人々のために執り成し祈ることもいいでしょう。あらゆる機会を祈りに用いていくことを心がけるだけでも、その日の祈りに違いが出てきます。
祈ることを神から与えられた人生の使命として受け止めていた預言者サムエルを見習いたいものです(サムエル記上12章23節参照)。
また、主イエスは「くどくどと祈ってはならない」と教えられました。祈る時間に比例して祈りが叶えられることはありません。どれだけ犠牲を払ったかによって祈りが聞かれるわけでもありません。祈りとは、自分の必要を神に祈り求めるというより、神が祈り求めるように導いて下さっていることを理解して祈ることです。神こそ、私たちの必要をよくご存知でいて下さるお方です。私たちが正しく祈り求めるなら、神は喜んで与えて下さいます。私たちのためには御子イエス・キリストさえもお遣わしになられた神に信頼し、祈りに耳を傾けていて下さる神の臨在を実感しながら共に祈りましょう。
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