斎藤 信一郎 牧師
「取って食べなさい。これはわたしの体である。」 また、杯を取り、感謝の祈りを唱え、彼らに渡して言われた。「皆、この杯から飲みなさい。 これは、罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。」
マタイによる福音書26章26b-28節
主の晩餐は、バプテスマと共に主イエスが教会に託された二つの目に見える形の信仰告白として長年大切にされて来ました。私たちは、これらを通して主イエスの十字架のあがないと復活と再臨の希望を再確認します。また、これらを通して主イエスが示された垣根を越えた豊かな生き方、考え方を私たちの人生の模範として共有していくことを大切にして来ました。どちらも教会という共同体において行う儀式です。
主の晩餐はバプテスマ同様に他教派においても重要な儀式ですが、バプテスト連盟の諸教会においては比較的自由な主の晩餐理解と形式で行われています。特に主の晩餐に参加できる対象者の範囲が教会ごとに多様です。教会員のみを対象にするもの。同じバプテスト連盟に属する教会員を対象にするもの。バプテスマを受けていれば参加できるもの。バプテスマを何かの事情で受けていなくても、その時に主イエスを信じる信仰決心を表明していれば参加できるもの。信仰決心を表明していなくても共に参加したいという意思があれば参加できるものなど、非常に垣根の低いものまであります。主の晩餐の形式においても、礼拝の後に信徒のみで行う教会と、礼拝の中で行う教会があります。伝統に従って葡萄酒を用いる教会もあれば、未成年やアルコールを控える必要がある人々を配慮してぶどう液を用いる教会、両方を用意する教会もあります。他教派においては毎週行うこともありますが、日本バプテスト連盟では通常月1回行う教会がほとんどです。近年アメリカのバプテスト教会では、主の晩餐を年に数回に減らし、バプテスマ式を毎週、あるいは毎月行う教会があるなど、各教派や教会ごとに豊かな主の晩餐理解と形式を採用して来た歴史があります。この機会に西川口キリスト教会の信仰告白の冊子の後半に書かれている主の晩餐理解を確認することをお勧めします。
近年、私たちの生活環境が多様化、多国籍化して来ています。これからも内実のある豊かな主の晩餐を共に行っていくために、様々な信仰的な立場の人の存在を喜び合いながら、主イエスが教会に託された主の晩餐を大切にしていきましょう。
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