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主日礼拝宣教要旨

2019年2月17日(日) 礼拝宣教要旨 「国家の働きを覚えて祈る」 ローマの信徒への手紙 13章1-7節

斎藤 信一郎 牧師

 

「権威者は、あなたに善を行わせるために、神に仕える者なのです。しかし、もし悪を行えば、恐れなければなりません。権威者はいたずらに剣を帯びているのではなく、神に仕える者として、悪を行う者に怒りをもって報いるのです。」

ローマの信徒への手紙 13章4節

 先週「建国記念の日」を迎え、多くのキリスト教会では「信教の自由を守る日」として各地で集会が持たれました。本日の礼拝では、国家の働きを覚えて祈ることについて理解を深めて参ります。最初に参照する13章の内容は、理解に注意が必要な箇所です。読み方によってはどんな国の指導者でも従う必要があるかのような誤解を招きかねないからです。しかし、そうではないことは他の聖書箇所から明白です。聖書は度々国家権力が腐敗して過ちを犯すことを証言しています。決してあってはならない、神の子であるイエス・キリストを十字架にかけて処刑した行為も、ユダヤ教の最高法院とローマ帝国の地方裁判という国家権力によるものでした。従って、この箇所で大切にしたい理解は、上に立つ権威者たちは、悪を取り締まり平和を維持する働きにおいて、神に仕える者として立てられているということです。また「貢を納める」という言葉も賄賂のように受け取られやすい言葉ですが、これは政治献金を指す言葉として解釈することができます。
 サムエル記上8章を見ると、イスラエルの民が他国同様に王を立てることを願い求めたとき、考えを変えそうにないかたくなな民にそれを許しつつ、本当は反対である理由として国が軍事国家に進んでいく危険を神は預言しています。
 テモテへの第一の手紙2章1節「そこで、まず第一に勧めます。願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人々のためにささげなさい。」ここには優先順位の高いこととして、「すべての人々」を対象にすることを聖書は勧めています。自分の家族や地域や国家も大切ですが、キリストが人類のためにあがないの死を遂げられたように、私たちの祈りに覚えるべき国家とは世界中の国家のことであると言えます。しかも、創世記の第1章におけるすべての被造物を祝福される神の基準に照らし合わせるならば、すべての生き物が平和に暮らせる世界のために覚えて祈ることを導かれます。このような祈りをすべての人と共有できる日が来ることをせつに祈ります。

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