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主日礼拝宣教要旨

2018年12月23日(日) 礼拝宣教要旨 「マリアへの受胎告知」 ルカによる福音書 1章26-38節

斎藤 信一郎 牧師

『天使は、彼女のところに来て言った。
「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」』

ルカによる福音書 1章28節

 主イエスの受胎告知がマリアとヨセフに告げられたのは、ガリラヤ湖の西側に位置していた「異邦人のガリラヤ」と異名を持つナザレという町においてでした。イスラエルで最も尊敬されていた人物の一人であるダビデ王を先祖に持つユダ族の家系の出であったヨセフが、どのような経緯でナザレのような一般のユダヤ人に敬遠されるような異邦人が多く住む町で大工をするようになったのか、詳しくは語られていません。しかし、その背後に何か事情があったことを私たちに考えさせます。間もなく全国的な人口調査の登録のために故郷のベツレヘムに行くことになりますが、出産を控えていた妊婦の妻を労わり、彼らを迎え入れてくれる親戚が一人もいなかったというのも引っかかります。このような人物の元へ嫁ぐことになったマリアでしたが、まだ正式に結婚して夫婦生活を始める前に突然の妊娠を天使ガブリエルから告げられます。どれだけ、不安を覚えたことでしょうか。

しかし、そのような彼女に対して天使は「恵まれた方」と宣言します。何が幸福なのかと言えば、前途多難のマリアとヨセフでしたが、「主があなたと共におられる。」ことだと語ります。そして、これから彼女の内側に聖霊が働くことによって「神は救い(=イエス)」という神の子どもを授かると告げられるのです。1850年代に作成されたウィリアム・ハントによる「世の光」という有名な絵画があります。夜に主イエスがランプを片手に外側にドアノブがない家の戸口を叩く絵です。主イエスが私たちと関わりを持つために近付いて下さる時に、私たちの側でも積極的に内側から戸を開けて応答することの必要を訴えている、ヨハネの黙示録3章29節をイメージして作成された絵です。

キリストは今日も私たち一人一人と共に食卓を囲むような親しい関わりを持ちたいと願い、心の戸を叩いておられます。私たちが神との真実の交わりを体験し、共に天に国籍を持つ者となり、キリストと共に生きる祝福に預かる者となるためです。クリスマスがこの福音を共に喜び、豊かに分かち合う時となりますように、世界中の人々と共に心を合わせて祈念しましょう。

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