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主日礼拝宣教要旨

「恵みに包まれて」 朴 思郁 牧師

2025年12月7日(日) 主日礼拝 宣教要旨
聖書箇所:ルカによる福音書1章30-35節

「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。」

(ルカによる福音書1:35)

 ルカによる福音書1章30~35節は、天使ガブリエルがマリアに救い主の誕生を告げる「受胎告知」の物語です。待降節(アドベント)第2週として、私たちは「恵みに包まれて」生きることの意味を深く受け取ります。
 第一に、聖書は「神の恵みが先に働く」ことを明らかにしています。天使は「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた」と告げます。マリアが何か特別なことをしたから恵みを受けたのではありません。神様が一方的に恵みを注いでくださったのです。マリアへの受胎告知が「六か月目に」と記されているように、親戚エリサベトの受胎から六か月、神様は私たちが気づく前から静かに、しかし確かに救いの道を準備しておられたのです。これこそが福音の核心です。
 第二に、聖書は「いと高き方の力に包まれる幸い」を教えています。マリアが「どうして、そのようなことがありえましょうか」と問うた時、天使は「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む」と答えました。この「包む」という言葉は、雲が覆いかぶさるように、神様の力と守りがマリアを完全に包み込むことを意味しています。婚約中の身ごもりは当時、石打ちの刑に処される可能性さえありました。しかしクリスマスは、人間的には腰が引けてしまうような状況においても、「いと高き方の力」に包まれて歩む幸いを私たちに指し示しているのです。
 第三に、聖書は「共に励まし合う信仰の歩み」を示しています。神様はマリアの戸惑いをご存じの上で、励ましを用意してくださいました。老齢のエリサベトの受胎の事実が、不安に押しつぶされそうなマリアの心を神に向ける力となりました。だからこそマリアは天使が去った後「急いで」エリサベトのところに向かったのです。神様は私たちを一人にはなさいません。共に歩む仲間を、励ましを与える存在を、必ず備えてくださるのです。
 現代において「恵みに包まれて」生きるとは、神様の選びが私たちの選びに先立っていることを信じること、自分の力や理解を超えたところで神様が働いておられることを信頼すること、そして困難や不可能に思える状況の中でも希望を失わないことです。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む」という約束は、マリアだけのものではありません。主イエスを信じるすべての者に与えられている約束です。私たちもまた聖霊によって新しく生まれ、神の子とされ、「いと高き方の力」に包まれながら日々の歩みを導かれているのです。

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