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主日礼拝宣教要旨

「希望への満ちしるべ」 朴 思郁 牧師

2025年11月23日(日) 主日礼拝 宣教要旨
聖書箇所:マタイによる福音書16章1-4節

「よこしまで神に背いた時代の者たちはしるしを欲しがるが、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。」

マタイによる福音書 16章4節

 本日の宣教題「希望への道しるべ」は、マタイによる福音書16 章1〜4 節に基づいています。宗教指導者たちがイエス様を試そうとして「天からのしるし」を要求したのに対し、イエス様は彼らの不信仰を見抜かれ、「空模様の知恵はあるのに、なぜ時代のしるしを見分けることができないのか」と問いかけられました。これは、表面的な現象には敏感でありながら、神様がこの時代に語ろうとしておられる深いメッセージに気づかない人間の姿、そして「条件付きの信仰」に陥る私たちへの厳しい問いかけです。私たちは、神への不遜と隣人への無関心という傲慢さから来る、心の頑なさを自覚する必要があります。
 現代社会にも、私たちが謙虚に読み取るべき多くの「時代のしるし」があります。レイチェル・カーソン氏の『沈黙の春』が警告したように、環境破壊やマイクロプラスチックなどの汚染は、人間中心主義が生み出した、現代の悔い改めのしるしです。また、経済格差、孤独の増加、水俣病事件に見る隣人の痛みは、私たちに石の心を取り除き、愛と憐れみに満ちた肉の心(エゼキエル書36章26節)を持つよう招いている徴です。創造された世界全体が呻き(ローマの信徒への手紙 8章22節)、苦しむ人々の声が静かな叫びとして響くとき、私たちは神への回帰と隣人愛へと促されています。
 イエス様は、私たちが求めるべき真のしるしは「ヨナのしるし」以外にはないと言われました。ヨナが大魚の腹から三日後に救い出された出来事は、イエス様ご自身の十字架の死と三日目の復活を示しています。十字架と復活こそが、全人類に与えられた最も確かな、そして死を超える勝利の究極の希望のしるしです。私たちの希望は、人間の力や一時的な繁栄ではなく、永遠に変わらない神様の愛と真実、すなわちこのキリストの復活の力にあります(詩編146編3節)。
 イエス様が彼らを後に残して立ち去られたことは、彼らを断罪したのではなく、自らの心と向き合い、真の悔い改めに至る機会を与えられたのです。神は今も「光は暗闇の中で輝いている」(ヨハネによる福音書1章5節)という約束(マルコによる福音書13章26節)のとおり、私たちを決して見放されません。私たちは、日々の小さな恵みの中に神のしるしを探し、まず神の国と神の義を求める生き方(マタイによる福音書6章25節)へと心を向けていくことで、この希望への道を歩むのです。
 困難が多い時代だからこそ、私たちは、この揺るぎない希望に支えられ、来週から始まる待降節へと心を整え、福音が告げ知らされていることこそ神の国の確かな「しるし」であることを証しする者として力強く歩んでいきましょう。

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