2025年9月28日(日)
召天者記念礼拝 宣教要旨
聖書箇所:ヨシュア記24章14-15節
「仕えたいと思うものを、今日、自分で選びなさい。ただし、わたしとわたしの家は主に仕えます。」
ヨシュア記 24章15節
ヨシュア記24章14~15節は、イスラエルの指導者ヨシュアが人生の最後に民に向けて語った言葉として、人生における根本的な選択について重要な教訓を与えています。召天者記念礼拝という特別な日に、私たちは天に召された愛する方々の歩みを振り返りながら、「何を最も大切にして生きるか」という問いと向き合います。
第一に、聖書は「人生の根本的な選択」の重要性を教えています。 ヨシュアは安住の地を得た民に対して、豊かさや安定がもたらす新たな誘惑の中で、何に仕えて生きるかという選択を迫りました。現代の私たちも、お金、地位、人からの評価といったものが心の中心を占めようとする中で、日々この選択と向き合っています。召天された方々も、人生の様々な局面でこの根本的な問いと向き合い、愛に根ざした価値観を選び取られたのです。
第二に、聖書は「真に大切なものへの気づき」を促しています。 人生の終わりに近づくにつれて、多くの方々は目に見える成功や財産よりも、愛し愛されること、誠実に生きること、希望を持ち続けることの方がはるかに価値があることを深く理解されました。聖書が教える価値観は、力よりも愛を、競争よりも協力を、所有よりも分かち合いを大切にし、小さな者、弱い者、困っている人を大切にする価値観なのです。
第三に、聖書は「世代を越えた愛の継承」について示しています。 「わたしとわたしの家は主に仕えます」というヨシュアの決意は、個人的な選択にとどまらず、家族や共同体全体への影響を考慮したものでした。召天された方々から私たちが受け継いだ最も大切な遺産は愛することの素晴らしさであり、私たちもその愛を次の世代に伝えていく責任があります。教会は、愛に根ざした価値観を大切にする人々の共同体として、互いに支え合いながら歩む場所なのです。
現代において「誰に仕えるか」を選択するとは、日々の具体的な場面で愛に根ざした価値観を実践することです。仕事における正直さ、家庭での時間の大切さ、社会における他者への配慮など、これらの選択の一つひとつが、実は何を最も大切にして生きるかという根本的な問いへの答えなのです。
私たちの信仰生活の目標は、召天された方々が示してくださった愛に根ざした生き方を受け継ぎ、さらに次の世代に伝えていくことです。神の愛は私たちの想像をはるかに超えて豊かであり、その愛に支えられて、私たちは新しい決意をもって歩み続けることができるのです。召天者記念礼拝は、過去を振り返るだけでなく、私たち自身の人生を見つめ直し、愛に根ざした新しい歩みを始める機会として与えられているのです。