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主日礼拝宣教要旨

「境目を渡る信仰」朴 思郁 牧師

2025年9月14日 礼拝宣教要旨
聖書箇所:ヨシュア記 3章7-17節

「主はヨシュアに言われた。『今日から、全イスラエルの見ている前であなたを大いなる者にする。そして、わたしがモーセと共にいたように、あなたと共にいることを、すべての者に知らせる。』」

ヨシュア記 3章7節


 3 章 7~ 17 節は、イスラエルの民がヨルダン川を渡って約束の地に入る物語を通して、人生の境目における信仰の姿勢を示しています。春の増水期で激流となったヨルダン川は、人間の力では到底渡ることのできない障壁でしたが、神の先立ちによって不可能が可能となりました。この出来事は、私たちが人生の境目に立つ時の信仰のあり方について重要な教訓を与えています。
 第一に、聖書は「大祭司キリストが先立つ信頼」を教えています。祭司たちが契約の箱を担い、最
初に水に足を踏み入れた瞬間に神の奇跡が起こりました。これは、私たちの大 祭司であるキリストが
先立って死の川を渡り、復活によって新しい道を開いてくださったことの予表です。私たちは「道が
見えてから歩む」ことを望みがちですが、信仰は「信じて足を水に浸す」ことです。確証が見える前
に、キリストを信頼して一歩を踏み出すのです。
 第二に、聖書は「謙遜による聖化のプロセス」を明らかにしています。民は契約の箱に従いながら
も「約二千アンマの距離を保つ」よう命じられました。これは神の聖なる御業に対する深い敬意の表
現です。また、新しい段階に入る前に「自分自身を聖別せよ」との命令がありました。これは神と の
関係を新たにし、古い習慣や価値観を手放して神の新しい働きを受け入れる心の準備なのです。
 第三に、聖書は「聖霊によって一つとされる共同体」の重要性を示しています。ヨルダン川を渡っ
たのは一人のスーパーヒーローではなく、祭司たち、十二部族の代表者たち、民全体でした。神の御
業は個人の超人的な努力によってではなく、聖霊によって一つとされた共同体全体の参与によって実
現されます。現代においても、一人では渡れない困難を、信仰共同体が一つになって担い合うとき、
神の奇跡が起こるのです。
 現代において「境目を渡る信仰」を生きるとは、人生の様々な転機において、キリストの先立ちを
信頼し、謙遜をもって聖化のプロセスを受け入れ、共同体と共に歩むことです。就職、結婚、病気、
老いといった境目に立つとき、私たちは不安に圧倒されそうになりますが、大祭司キリストがすでに
その川の中に立って待っておられます。私たちの信仰生活の目標は、神への信頼のもとに、謙遜と共
同体を大切にしながら境目を渡り続けることです。そして私たちの経験が「記念の石」となって、次
の世代への希望の証しとなるのです。キリストにあって、私たちは決して一人で境目を渡るのではな
く、復活の主が先立ち、信仰の友と共に歩む恵みの中で、人生の新しい段階へと導かれていくのです。

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