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主日礼拝宣教要旨

「神の前に静まる」朴 思郁 牧師

2025年1月12日(日)
主日礼拝 宣教要旨
詩編 139 編 1-6 節、23-24 節

「神よ、わたしを究め/わたしの心を知ってください。わたしを試し、悩みを知ってください。御覧ください/わたしの内に迷いの道があるかどうかを。どうか、わたしを/とこしえの道に導いてください。」

詩編139編 23-24節

 新しい一年は、これまでの生活を振り返り、神の御心に照らして生き方を整える良い機会です。この時期、エーリッヒ・フロムの『生きるということ』で示された「ハビング(Having)」と「ビーイング(Being)」という生き方の区分が参考になります。ハビングは所有や成果に価値を置く生き方で、ビーイングは存在そのものに価値を見いだし、深い関係や愛に基づいて生きることを意味します。
 フロムのビーイングの生き方は、聖書が示す神との親しい関係に基づく価値観と響き合います。ルカ福音書のマリアとマルタの物語がその具体例です。忙しく働くマルタはハビングの生き方を象徴し、イエスの足元で御言葉を聞いたマリアはビーイングを体現しました。イエス様が「マリアは良い方を選んだ」とおっしゃったように(ルカによる福音書10章42節)、私たちも神との関係を深めるビーイングの生き方を選び取ることが求められています。
 この生き方を実践するためには、詩編139編に描かれたダビデの祈りが指針となります。「神よ、私を究めてください」(参照、詩編139編23-24節)というダビデの祈りは、自己省察と神への信頼の姿勢を示しています。神は私たちの行動、思い、言葉のすべてを完全に知っておられる方であり、その全知は私たちに畏敬の念と安心感を与えます。他者に理解されない孤独な時でも、神が共にいてくださることは私たちの支えとなるのです。
 ビーイングの生き方を深めるために大切なのは、日常生活で静まりの時間を設け、神に祈りを捧げることです。たとえば、一日の始まりや終わりに「神よ、私を究め、私の心を知ってください」と祈り、自分を神に委ねる時間を意識的に確保します。また、詩編139編のように神の全知と愛を賛美する御言葉を黙想し、それを日々の生活に適用していくことが重要です。
 さらに、神が示される「迷いの道」を癒しと成長の機会として受け入れ、具体的な行動に移すことが必要です。たとえば、謝罪を通じて人間関係を改善したり、生活の優先順位を見直して神の御心に従ったりすることです。「とこしえの道に導いてください」という祈りは、神の全知と愛への信頼を表す希望の言葉です。この祈りを心に刻み、神との親しい関係を築きながら新しい一年を歩み始めるとき、真の平安と喜びを経験することができるでしょう。

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