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主日礼拝宣教要旨

「祝福を分かち合う」朴 思郁 牧師

2024年10月27日(日)
主日礼拝宣教要旨
使徒言行録 20章32-35節

「あなたがたもこのように働いて弱い者を助けるように、また、主イエス御自身が『受けるよりは与える方が幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと、わたしはいつも身をもって示してきました。」

使徒言行録20章35節

 近年、利他の価値が注目されています。アダム・グラントの著書『GIVE&TAKE――「与える人」こそ成功する時代』では、他者の成功を支援する「ギバー」が長期的に成功することが示されています。また、予防医学の専門家スティーブン・ポストは、与える行為が幸福や健康に良い影響を与えると述べています。この世の研究でも「与えることの祝福」が証明されているのです。聖書は2000年前からこの真理を私たちに教えてきました。
 本日の聖書箇所(使徒言行録20章32-35節)で、パウロは「受けるよりも与えるほうが幸い」と語り、他者への献身を勧めています。パウロがエフェソの教会に遺した言葉には、リーダーたちに託した深い願いが込められていました。当時のエフェソは商業の中心地で、物質主義の影響も強く、急成長する教会が世俗的な価値観に引き寄せられる危険がありました。パウロは、教会が神の恵みに根ざし、物質ではなく「無私の奉仕と自己犠牲」の心で導かれるようにと訴えたのです。
 この教えは、物質主義の現代社会に生きる私たちにも響きます。神の恵みを受けるだけでなく、それを分かち合い、地上に神の国を広げることが私たちの使命です。私たちが「与える者」として生きるのは、神がまず私たちに愛を与えてくださったからです。「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」(ヨハネ3:16)。神の愛は無条件で自己犠牲的であり、私たちが神と深く結ばれるためのものです。与える行為は神の愛を映し出し、私たちを通してその愛が他者に広がります。パウロが語った「与える幸い」とは、この神とのつながりに根ざした祝福なのです。
 さらにパウロは「自分と仲間のために働いた」と語り、実際に自らの手で他者を支えました。与える行為は必ずしも物質的なものに限らず、日々の働きや小さな親切もその一つです。職場や家庭、地域での支え合いや助けは、神の愛を実践する方法です。私たちが知識を分かち合い、励ましやサポートを提供するとき、それは「与える者」としての使命を果たす瞬間です。現代では成功や富が重視されがちですが、イエス様は「与えること」にこそ幸せがあると教えます。まさに与える行為は、神の愛を実践し、神様との関係を深めるものです。

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