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主日礼拝宣教要旨

「与える喜び」朴思郁牧師

2024年10月6日(日)
主日礼拝宣教要旨
マタイによる福音書23章11-12節

 オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』は、愛と自己犠牲を描いた物語です。貧しい夫婦ジムとデラは、クリスマスに互いへ贈り物をするために大切なものを手放しますが、その贈り物はお互いには役に立たなくなってしまいます。それでも、その行為には互いの愛と自己犠牲の精神が輝いています。オー・ヘンリーは、この2人を「最も賢い贈り物をした人々」と称えています。この物語は、「あなたがたのうちでいちばん偉い人は、仕える者になりなさい」というイエスの教えに通じています。イエスは他者のために生きる価値を教え、ジムとデラのような「与える喜び」と自己犠牲の精神が、他者に仕えるときに得られる平安と喜びを示しています。
 現代社会では、成功や地位が「偉大さ」の尺度とされ、競争が激化しています。SNSの影響で他者との比較が増え、「もっと頑張らなければならない」というプレッシャーが高まっています。しかし、このようなメリトクラシー(能力主義)は、私たちに過度なストレスや孤独感をもたらし、失敗や弱さを隠そうとさせることもあります。一方で、イエスの教えは「仕える心」による真の偉大さを示しています。イエスは神でありながらご自身を低くし、最後の晩餐では弟子たちの足を洗い、十字架で命を捧げられました。その生涯全体が「仕える者」としての姿勢であり、「偉大さ」とは他者に仕え、愛をもって奉仕することにあると教えています。
 イエスの生涯は、「仕える者」としての姿勢に貫かれていました。そして、十字架での自己犠牲は、その愛と奉仕の究極の表れです。イエスは「与える喜び」を示し、自己のためではなく他者のために生きる価値を体現されました。この愛と自己犠牲は、他者に仕えるときに得られる深い平安と喜びを象徴しています。私たちもまた、イエスの教えに従うことで、日々の生活で自分の利益だけを求めるのではなく、他者のために時間や才能、資源を使い、愛をもって奉仕する者となることが求められています。例えば、忙しい日々の中でも、家族や友人の必要に気づき、心を込めて手助けすること。職場や教会でサポートが必要な人に手を差し伸べること。また、地域社会で奉仕活動やボランティアに参加し、困っている人々に自分の時間とエネルギーを捧げることなど、小さな行動で「仕える心」を実践できます。
 イエスの教えに従い、他者に仕え、与える生き方を選ぶとき、私たちの心には真の喜びと平安が与えられます。神が私たちに愛と奉仕を惜しみなく注いでくださるように、私たちもその愛と喜びを他者に与え、仕える生き方を通して周りに祝福をもたらし、同時に私たち自身も豊かにされます。イエスの教えと模範に従う歩みの中で、私たちの生き方は変えられ、他者のために生きることが真の偉大さであり、与えることが最大の喜びであることに気づくことができるのです。

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