「霊的成長の根源」朴思郁 牧師

「わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている。ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができないように、あなたがたも、わたしにつながっていなければ、実を結ぶことができない。」

ヨハネによる福音書 15章4節

　今日は「霊的成長の根源」という題でお話ししたいと思います。聖書には霊的成長を経験した多くの人物が登場しますが、その中でも特にペトロの成長の物語には多くの学びがあります。ペトロの霊的成長は、彼の葛藤や失敗を通して深められていきました。ガリラヤ湖の漁師だったペトロは、イエスとの出会いによって大きな変化を経験し、「ケファ」（ペトロ、岩）という新しい名前を与えられ、教会のリーダーへと成長していきます。彼は大胆で行動力がありましたが、しばしば恐れや不安に襲われることもありました。それでも、イエスとの深い関係を通して、自分の弱さを克服し、神に依存することを学びました。ペトロの物語は、どんな状況からでも霊的に成長できることを私たちに教えてくれます。
　4節の「わたしにつながっていなさい」（とどまりなさい、新改訳）という言葉は、キリストとの継続的で深い関係を保つことを示しています。ペトロがイエスを否認した後に悔い改め、再び回復したことはその一例です。私たちも日々の祈りや聖書の学びを通じてキリストとのつながりを維持し、失敗してもキリストに戻ることで霊的に成長することができます。キリストにとどまることは、霊的な力の源であり、どのような状況でも神の愛と力を受け続けるための鍵です。
　また、4節後半では「ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができない」とあり、私たちの霊的な実りがキリストとのつながりに依存していることが強調されています。ペトロもイエスを否認したときに霊的な力を失いましたが、復活後にイエスとのつながりを回復し、聖霊によって大胆に福音を伝えるようになり、多くの霊的な実を結びました。私たちもキリストにとどまり続けることで、豊かな霊的な実を結ぶことができるのです。
　さらに、5節ではイエスが「わたしはぶどうの木、あなたがたは枝である」と述べ、キリストとの一体感が私たちの霊的成長に不可欠であることを強調しています。ペトロは一度イエスを否認して霊的な力を失いましたが、復活したイエスとの再会を通じて一体感を取り戻し、教会のリーダーとして多くの霊的な実を結びました。私たちもキリストにとどまることで神の力を受け、実を結ぶことができるのです。キリストから離れてしまえば、霊的に無力になるとされています。
　私たちの霊的成長の根源は、キリストとの強いつながりにあります。ペトロのように、失敗しても大切なのは立ち直り、再びキリストに戻ることです。ペトロは悔い改め、イエスとの関係を回復し、さらに霊的に成長しました。私たちも日々の祈りや聖書の学び、クリスチャン同士の励まし合いを通してキリストとの関係を深め、神の栄光を表す歩みを続けることが重要です。