「知る力、見抜く力を身に着けて」 石水 泰

「わたしは、こう祈ります。知る力と見抜く力を身に着けて、あなたがたの愛がますます豊かになり、 本当に重要なことを見分けられるように。」

フィリピの信徒への手紙1章9-10a 節

　パウロは、あなたがたの愛がますます豊かになり、本当に重要なことを見分けられるように、知る力と見抜く力を身に着けなさい、と言っています。
　知る力とは、神の御心を知る力、十字架の愛が本物の愛だと知る力です。そして、本物の愛と、そうではない偽物の愛を見抜く力、見分ける力を身に着けよう、とパウロは言っています。イエス様の十字架の本物の愛を知ってこそ、偽物を見抜く力が備えられます。
　また、CS ルイスはこう書いています。「キリスト教的信念にせよ、他のいかなる信念にせよ、一度受け入れさえすればあとは自動的に心のうちに生き続けるというようなものではない。それは養っていかなければならない。毎日祈ること、教会へ行くこと、自分の信じていることをたえず思い起こすことがわれわれには必要なのである」。
　大変なこと、やりきれないことが溢れかえる世の中で、自分の中にブレない信仰の原点を確認すること、そしてそれをコツコツ養っていくことの大切さを覚えながら、皆様と共に、知る力、見抜く力を身に着けていくことに励んでいけたらと心から願います。そんな私たち一人ひとりに、神様は寄り添っていらっしゃいます。