「さて、イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。そして、荒れ野の中を“霊”によって 引き回され、四十日間、悪魔から誘惑を受けられた。 」
ルカによる福音書4章1-13節
西川口キリスト教会 四津 明美
イエス様はバプテスマのヨハネからバプテスマを受け、聖霊に満ちてすぐに伝道の業を始められたのではありませんでした。荒れ野に向います。イエス様は荒れ野での 40 日という期間を、神の御心をひたすらに聞いていくこと、そして逆境の中で頼るのは神だけであるという訓練を聖霊によって受けられました。快適でなんでも手に入り、いろんな情報の溢れる場所にいては、見いだせないもの、見過ごしてしまうもの、聞き逃してしまうものが荒れ野にはあるのだと思います。
40 日の断食の後イエス様が悪魔から受けた三つの誘惑は、一見今の私たちには関係のないことのように思えます。しかし、それはどれも私たちの生活に日々関係してくる、生涯にわたって関係してくることです。物質的な試み、名誉・誇り・プライドの試み、経済的な豊かさや物質万能主義の試みなど、それは誰もが直面しうるものです。「誘惑」は「試練」とも訳されます。同じ試みが、神様の目から見れば信仰を立て上げるために与えられる「試練」であり、悪魔から見れば信仰から遠ざけるための「誘惑」です。試みを、私たちは誘惑ではなく試練として受け止めていきたいと思わされます。私たちが試みにあうときにどのように対応していけばいいのかを、イエス様から学ぶことができます。み言葉です。私たちは日々、このみ言葉に触れ、私たちの内側にそのみ言葉を蓄えていきたいと願います。
私たちの教会が今導かれている場所も荒れ野であるとも言えるでしょう。荒れ野は悪魔の誘惑もある厳しい場所ですが同時に聖霊が働いてくださる場所でもあります。神と出会い、神の言葉を聞き、神の臨在を経験できるところであるなら、今私たちは聖霊によって信仰の訓練を受けているお互いであると言えましょう。
悪魔の誘惑を退けられたイエス様は、このあと公生涯と言われる伝道活動に入られます。私たちの教会も、この荒れ野での試みを越えていく先に神様が望まれる教会へとされていくのだと確信します。イエス様は試みの中にある私たちを励まし、支え、乗りこえる力を与えてくださいます。また主の祈りには「われらをこころみにあわせず、悪より救い出だしたまえ」という祈りが含まれています。この主の祈りを日々ささげながら、この新しい年も聖霊の力をいただいて、主に従って共に歩んでまいりましょう。
