ローマの信徒への手紙12章12節
秋山信夫牧師(上尾キリスト教会)
上尾教会は今年、開拓伝道50周年を迎えました。西川口教会員のOさんが上尾に引越しをされたことから、西川口教会では1970年12月、上尾開拓を臨時総会で決議しました。
1971年1月11日、Oさんの家から開拓伝道が始まりました。毎週、日曜日の午後、井置利男先生が上尾まで通って、集会を開いてくださいました。1973年に借家を借り、1974年に奥田稔先生を上尾伝道所牧師に迎えました。そして、西川口教会から支援を頂き、1975年、32坪の土地を購入しました。ただ会堂建築は、伝道所の少人数の教会員で賄うことになりました。Oさんは「人なし、土地なし、お金なしの開拓伝道でしたが、共におられる神様が大いなる御業を成し遂げてくださった」と主に感謝を述べておられます。
上尾教会の歩みを振り返る時、今日の御言葉「希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。」を思い出さずにはいられません。母教会であった西川口教会は、この御言葉のように、上尾での開拓伝道を生み出し、成し遂げるために、共に歩んでくださったのです。
最後の「たゆまず祈りなさい」の「たゆまず」とは、「途切れることなくずっと継続する」ということです。これは、長い祈りの文言をずっと唱え続ける、ということではありません。祈りとは、一言でいえば、神に心を向けることです。私たちは、祈っていても日々の生活は変らない、祈っても仕方がないと思い、祈りを失ってはいないでしょうか。しかしそれこそがまさに、信仰における希望と喜び、そしてそれに基づく忍耐を失ってしまう原因です。なぜなら祈りを失うことによって私たちは神との交わりを失うからです。「たゆまず祈る」ためには、私たちの心が、いつでも神に向かって開かれており、神と共に生きていることを意識していることが必要です。そのことが、信仰者の希望と喜び、そして忍耐の土台なのです。この御言葉に立つ時、私たちはコロナ禍の試練、又、様々な試練の中を支えられて、歩んでいくことができるのです。「希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈る」生活を共に歩んでいきましょう。